Samsungは、米国で開催された世界半導体会議「MEMCON 2024」で、関係者に向けて3D DRAMの開発ロードマップを発表した。それによれば、同社は2025年に半導体業界では初となる3D DRAMを発表するという。
Samsungはすでに、AI半導体のマーケットリーダーであるNVIDIAなどから、高帯域幅メモリー(HBM)の受注を獲得しているが、HBM市場は先行していたSK hynixが圧倒的なシェアを誇っており、SamsungはこのAI特需の中で後塵を拝していた。
同社は現在、高まる需要にさらに応えるため、製品群の拡充を図っている。更にSamusungは来年までに3D DRAM製品を投入し、SK hynixとの競争力を高め、世界のAIチップ市場で主導的地位を確立したい意向だ。
AIメモリーチップ分野での優位性を確保したい
複数のDRAMモジュールを積層して容量を増やすHBMとは異なり、3D DRAMではセルを垂直に積み上げるため、セルを水平に積み上げる現在の方法に比べ、単位あたりの容量が3倍になる。
同社の3D DRAMの初期バージョンは、垂直チャネル・トランジスタ技術に基づいて来年発売される予定である。同社は、キャパシタを含むすべてのセルを積み上げたスタック型DRAMを2030年に発売すると伝えられている。
3D DRAMは、SamsungがAIチップ業界のリーダーになることを可能にし、現在AI用途のHBMとDRAMの世界市場で90%のシェアを誇るSK hynixから大きくシェアを奪える可能性がある。SK hynixは、この技術に取り組んでいると考えられているが、3D DRAMのロードマップを共有していない。
世界の3D DRAM市場は、2030年までに1,000億ドルに成長すると予測され、Samsungはいち早くここで地歩を築きたいようだ。だが、この市場は現在黎明期であるため、この数字が低くなる可能性も、あるいは高くなる可能性もあるが、AIメモリ・ソリューションに対する需要の高さを考えると、後者の可能性の方が高いだろう。
Source
- BusinessKorea: Samsung to Unveil ‘Dream Memory’ 3D DRAM in 2025
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