Googleは、Google Cloud Next 2024カンファレンスにおいて、クラウド及びデータセンター向けに自社開発した初のArmベースプロセッサ「Google Axion」を発表した。
AxionチップはGoogleのデータセンターで使用され、Google Cloudを通じて顧客に提供される予定だ。
このチップArmのNeoverse V2に基づいており、標準的なArm v9アーキテクチャと命令セットを使用しているが、プロセッサのコア数は明らかになっていない。チップのレンダリング画像からはモノリシック設計であることが予想されるが、それも不明だ。なお、Neoverse V2の設計は、NVIDIAがGrace CPUにも採用していものだ。Neoverse V2アーキテクチャは、最大256のコア構成をサポートできる。
Googleによると、Axionは、自社のクラウドで使用されている最速の汎用Armベースプロセッサーと比較して30%高いパフォーマンスを提供するという。また、最新のx86ベースのVMと比較すると、パフォーマンスは50%、エネルギー効率は60%向上しているという。
Axionは、GoogleのカスタムTitaniumマイクロコントローラーと連動するように設計されており、基本的にデータ処理ユニット(DPU)として機能し、ネットワーク、セキュリティ、ストレージIOのような計算集約的な処理をオフロードし、プロセッサを顧客のワークロードの実行に解放する。
Axionの導入先についてGoogleは、BigTable、Spanner、BigQuery、Earth Engine、YouTube広告など、クラウドと広告プラットフォームのサービスの多くを、独自チップへ移行することを計画しており、すでにArmシステムに移行し始めていると述べている。
また、Googleは、Axionが主にWebやアプリのサーバー、マイクロサービス、データベース、インメモリキャッシュ、データ分析、メディア処理、AIモデルのCPUベースのトレーニングや推論といったニーズに最適であると述べている。Axionベースのサーバーは、2024年後半にGoogle Cloudの顧客向けに提供される予定だ。
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