スマートフォンのワイヤレス充電と言えば、Qi規格や、AppleのMagSafeが有名だが、Android 15ではこれらに加えてNFC経由でのワイヤレス充電がサポートされる可能性があると言う。
Android専門家のMishaal Rahman氏がコードを解析したところ、”NfcCharging”のサポートが追加されたことが明らかになったという。これはAndroid 15 Beta 1で発見されたが、AOSPにはまだないようだ。しかし、最近AOSPのコミットでNFC充電の話が出ているので、Googleがこの技術に力を入れているのは明らかだ。
NFCがワイヤレス充電にも対応していると言う事はあまり知られていない事だろう。2020年5月にNFC Forumは新たにNFCワイヤレス充電仕様(WLC)を策定しているが、実際の所ほとんど普及していないことも事実だ。これは、Qiに比べてその充電速度が著しく劣る事も一因だろう。WLCは最大で1Wでの充電しか行えない。対してQiの最新規格Qi2は最大で15Wの充電が可能だ。
では、なぜ今更そんな充電速度が大幅に遅いNFCワイヤレス充電がサポートされることになったのだろうか?これはスマートフォン自体に充電を行うためではなく、スマートフォンからその他のデバイスに充電を行う事も意図しているようだ。WLCではすでにデバイスに搭載されているNFCハードウェアが他のデバイスに電力を送信できるようになっている。
WLCの充電アンテナは1cmの大きさに縮小でき、曲げられるため、スマートウォッチ、Bluetoothトラッカー、ワイヤレスイヤホンなどの小型機器に簡単に取り付けることができる。特に、Bluetoothトラッカーなどはコイン型電池が主に使われるなど、充電に対応していない物が多かったが、WLCに対応する事で充電式バッテリーの搭載が可能になり、維持コストが削減される可能性がある。
また、スタイラスの充電にも有用だろう。USI 2.0仕様にはNFCワイヤレス充電が組み込まれているため、市販のUSI 2.0スタイラスはすでにNFC経由で充電することができるようにはなっている。あとは、NFC充電トランスミッターを搭載した互換性のあるデバイスがあれば良い。
今年後半に発売が予定されているAndroid 15では、NFCワイヤレス充電がサポートされ、WLC対応のアクセサリーが続々と市場に投入される可能性がありそうだ。
Source
- Android Authority: Android 15 could add a new way to wirelessly charge your devices
コメント