OpenAIのChatGPTやGoogleのGeminiのようなAIチャットボットに望んだ回答を出力させる確率を上げるためには、入力するプロンプトを工夫しなければならない事はよく知られている。
こうした“プロンプト・エンジニアリング”は、生成AI人気に乗じて1つの職業として一部で人気を博し、重宝されているが、通常こうしたスキルは身につけるのに時間もかかり、仕事を依頼するにはお金もかかる。
だが一般的なユーザーでも、簡単なコツを知っておくことは有益だろう。この問題を解決するために、GoogleはPDF形式で印刷して手元に保存も出来るような「Prompting Guide 101」と題した、チャットボット向けに効果的なプロンプトを入力するためのガイドを作成し、公開している。
Googleのプロンプトマニュアルは、ビジネスユーザーがGeminiを使用する際に、すぐに実践できるように設計されている。Google Workspaceでの使用を念頭に作られているが、提供されるヒントは一般ユーザーにも役立つ。
このガイドは、エグゼクティブや起業家、人事、カスタマーサービス、マーケティング、プロジェクト管理、営業など、いくつかの異なる職種に焦点を当てている。特に注目すべきは、プロンプトを考える際に考慮すべき4つの基準だ。
- ペルソナ:あなたは誰か?
- タスク:AIに何をさせたいか(要約、トーンの変更など)
- コンテキスト:詳細
- フォーマット:箇条書き、文字数制限など
具体的にGoogleは、以下に示すように、4つの要素を加えたプロンプトを作成して例を示している。
あなたはGoogle Cloudのプログラムマネージャーです。[関連するプログラムドキュメントの詳細]に基づいて、[ペルソナ]宛にエグゼクティブサマリーのメールを作成してください。箇条書きで作成してください。
さらにガイドブックでは、プロンプトは “完全な文章で完全な考えを”自然に書くべきだと付け加えている。また、プロンプトがアウトプットされた場合は、フォローアップのプロンプトでフォローアップすべきであるとアドバイスしている。同社によると、「最も成功したプロンプトは平均21語程度」だという。最後に、ユーザーは “明確さ、関連性、正確さを確認する”ために結果を見直すべきだと警告している。
ハンドブックの最後に、Googleはユーザーが従うことができるいくつかの追加のヒントを提供している:
- 分割する:Gemini for Workspaceにいくつかの関連するタスクを実行させたい場合、それらを別々のプロンプトに分割する。
- 制約を与える:特定の結果を生成するには、プロンプトに文字数制限や生成したいオプションの数などの詳細を含める。
- 役割を割り当てる:創造性を高めるには、役割を割り当てます。プロンプトを次のような文言で始める事が推奨されている:「あなたは大手広告代理店のクリエイティブ部門の責任者です」。
- フィードバックを求める:Geminiとの会話では、Geminiにプロジェクトを与えていることを伝え、あなたが持っている詳細と知っていることをすべて盛り込み、次にあなたが望むアウトプットを説明する。そして、”最高のアウトプットを提供するために、私にどんな質問がありますか?”といった質問をして会話を続けよう。
- トーンを考える:想定する読者やコンテンツのトーンに合わせて、フォーマル、インフォーマル、テクニカル、クリエイティブ、カジュアルなど、具体的なトーンのアウトプットを求めるようプロンプトを調整する。
- 別の言い方:結果が期待にそぐわない場合や、改善の余地があると思われる場合は、プロンプトを微調整する。見直しと改良を繰り返すことで、より良い結果が得られることが多い。
ガイドブックの全編は以下のサイトからダウンロード出来る。ただし、英語版である事、また、ダウンロードには個人情報の入力が必要だ。
Source
- Google Workspace: Gemini for Google Workspace Prompt Guide
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