次世代フラッグシップGPU「GeForce RTX 5090」の発売を控え、現行モデルのRTX 4090が生産終了となり、主要小売店での価格が発売時の2倍以上にまで高騰している状況が明らかになった。この異例の価格上昇は、供給量の減少と次世代モデルへの移行期が重なったことが主な要因とされている。
供給状況と価格動向の詳細
現在、主要なオンライン小売店におけるRTX 4090の在庫状況は極めて深刻な状態にある。Neweggでは、ASUS製TUFシリーズの一モデルのみが2,700ドルで販売されており、その他のモデルは3,500ドルを超える価格設定となっている。これは、製品の当初推奨価格(MSRP)である1,590ドルと比較して著しい価格上昇を示している。
Amazonにおいても同様の傾向が見られ、多くのモデルが品切れ状態となっている中、入手可能な製品の価格は2,500ドルを下回ることはない状況だ。さらに深刻なのは、B&H Photoが全モデルを「生産終了」としており、BestBuyも「完売」と表示している点である。
日本でも当初発売価格よりも高い状況が続いており、現在は40万円近い価格で少ない在庫の商品が取引されている状態だ。
グローバル市場への影響と背景
この価格高騰の現象は米国市場に限らず、欧州市場や英国市場でも同様の状況が確認されている。通常、次世代モデルの発売前には在庫処分のための値下げが行われるのが一般的だが、RTX 4090については全く異なる展開を見せている。
背景には、2023年後半からの生産量の制限と、2023年10月から11月にかけての生産停止が関係している。この生産調整により、小売市場における供給が著しく制限され、残存在庫の価格高騰を招いている状況だ。
Xenospectrum’s Take
この異例の価格高騰は、ハイエンドGPU市場における需給バランスの脆弱性を如実に示している。通常であれば、次世代モデルの登場を前に値下げ傾向となるところ、逆に価格が上昇するという珍しい現象が起きている。これは、NVIDIAの製品戦略における興味深い転換点となるかもしれない。
次世代のRTX 5090への移行期における中古市場の動向も注目される。現行モデルのユーザーの一部は、Blackwellアーキテクチャを採用する次世代モデルへの移行を検討することが予想され、これにより中古市場に一定量の製品が流入する可能性がある。しかし、現在の異常な価格高騰を考えると、中古品であっても高値で取引される可能性が高い。
AIワークロードの増加に伴うハイエンドGPUへの需要拡大を考慮すると、次世代モデルでも同様の供給不足が発生する可能性は否定できない。NVIDIAの供給戦略と価格設定が、市場にどのような影響を与えるか、今後も注視が必要だ。
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