Valveが開発中の次世代VRヘッドセット「Deckard」に関する新たな噂が浮上している。Valve関連のリーク情報で知られるGabe Follower氏によると、Deckardは2025年末までに発売され、価格は1200ドルになる見込みだ。このヘッドセットはスタンドアロン型でワイヤレス接続に対応し、最高のVR体験を提供するために、Valveはコスト削減をせずに開発を進めているという。
Deckardの基本情報と発売計画

Valveの新型VRヘッドセット「Deckard」のコードネームが最初に発見されたのは2021年1月で、データマイナーによって発掘された情報から長らく噂の対象となっていた。リーカーであり、データマイナーのGabe Follower氏の報告によると、このスタンドアロン型でワイヤレスのVRヘッドセットは2025年末までに発売され、フルバンドルの価格は$1,200になるという。
Gabe Follower氏は過去にValve関連のプロジェクト、特に『Counter-Strike』、『Half-Life』、そして近日発売予定のPCシューターMOBA『Deadlock』に関する情報を正確にリークしてきた実績がある。この点から、今回の情報にもある程度の信頼性があると考えられるが、すべてのリーク情報と同様に、慎重に解釈する必要がある。
また、2023年9月には韓国でValve製の未発表ハードウェアが認証を受けており、これがDeckardである可能性が指摘されている。さらに、2022年末にはValveのプロダクトデザイナーであるGreg Coomerが、「我々は最近もVRヘッドセットの開発を続けていると間違いなく言える」と発言しており、Valveが新たなVRハードウェアを開発していることは事実上確認されている。
技術的特徴と機能
Gabe Follower氏の情報から、「Deckard」の最も注目すべき特徴の一つは、Valveのハンドヘルドゲーム機「Steam Deck」と同じSteamOSを使用するという点だ。ただし、バージョンはVR向けに調整されるとされる。
主要な機能として、PC不要でSteam Deckで動作するフラットスクリーンゲームをVRの大画面でプレイできる機能が挙げられている。これにより、既存のSteam Deckライブラリをそのまま活用できる可能性がある。
2024年11月にSteamVRアップデートでリークされた「Roy」というコードネームのVRモーションコントローラーは、従来のVRコントローラーとは異なり、伝統的なゲームパッドスタイルのボタン配置を採用している。これにより、フラットスクリーンゲームを仮想環境でプレイする際、Steam Deckと1:1の入力体験を実現できるとされる。


さらに、噂によれば「Deckard」はPCVRワイヤレスストリーミング機能、アイトラッキング、そしてパススルーAR機能を搭載する可能性があり、これによりMeta QuestやApple Vision Proとの競合が予想される。
ValveのVR戦略とハイエンド市場への再挑戦
Valveは「Index」発売時もハイエンドVR市場をターゲットとしていたが、「Deckard」も同様に、より高品質なVR体験を求めるユーザー層を重視する戦略を採ると見られる。Gabe Follower氏は「ValveはMeta社のように幅広い市場を狙うのではなく、再び小規模なハイエンドセグメントを目指しているようだ」と分析している。
注目すべき点として、$1,200という価格設定でも、Valveはこの製品を損失を出して販売する意向だとされる。これは、Valveが高品質な体験を提供するためにコストカットを避け、最高の体験を提供することを優先している表れとも言える。
Gabe Follower氏によると、「Deckard」には自社開発のゲームやデモが同梱される予定で、すでに開発が完了しているという。これは、Valveの最初のVRヘッドセット「Index」がHalf-Life: Alyxとバンドル販売されたことを彷彿とさせる戦略だ。
「Index」は高品質なVR体験を提供したものの、販売台数はニッチな範囲に留まった。しかし、ValveはVRゲームとVRデバイスの両面で豊富な経験と専門知識を有しており、今回の「Deckard」では、過去の教訓を踏まえ、より魅力的な製品を投入することで、ハイエンドVR市場での存在感を高めることを目指していると考えられる。
「Index」発売後、Valve創設者のGabe Newellはケーブル接続不要のワイヤレスVRヘッドセットについて言及しており、「Deckard」はこの構想の実現と見ることができる。フルワイヤレスのスタンドアロンヘッドセットとして、PC接続の必要なく使用できる利便性を提供する。
「Gabe Follower」によれば、非公開のプレゼンテーションが近く開始される可能性があり、今後数ヶ月でさらなる情報が明らかになる可能性が高い。
Sources
- Gabe Follower (X)
コメント