Google Pixelのスマートフォン市場における存在感が大きく拡大している。StatCounterの最新データによると、2024年10月の北米市場におけるPixelのシェアが、前月比で約3倍となる12.9%まで急増したことが明らかになった。
驚異的な成長を示すデータ
StatCounterの分析によると、Googleの市場シェアは2024年9月の4.76%から、10月には12.9%まで急上昇している。この成長により、GoogleはMotorola、OnePlusを大きく引き離し、Samsungのシェア(23.7%)の半分以上に相当する規模にまで成長した。
特筆すべきは、この急成長がAppleのシェアに影響を与えた可能性である。同期間中、Appleのシェアは約4.5%減少し、51.2%となった。一方、Samsungは約0.25%の微増に留まっている。
急成長の理由は?
この驚異的な成長の背後には、Googleの周到な市場戦略が存在する。Pixel 9シリーズでは、標準モデルから新設計のPro Foldまで、幅広い価格帯と形状で市場をカバー。さらにGoogle Oneサブスクライバーへの特別割引や、Play Points会員への最大30%オフなど、既存のエコシステムを活用した販売施策を展開している。これらの施策が相乗効果を生み、市場での存在感を一気に高めることに成功したと分析できる。
ただし、これは正規の販売データではなく、StatCounterの分析によるデータである点には注意が必要だ。StatCounterのデータは、全世界150万以上のWebサイトからの分析情報に基づいている。これは実際の販売台数ではなく、Webサイトへのアクセスに使用されたデバイスの分析結果を示している。しかし、サンプルサイズの大きさを考慮すれば、現実の市場動向を相当程度反映していると考えられる。
また、Googleの最新の決算発表でもPixelシリーズの好調な販売が報告されており、StatCounterのデータを裏付ける形となっている。特に2024年第3四半期には過去最高の販売実績を記録しており、この急成長を示すデータには一定の信憑性があると判断できる。
Xenospectrum’s Take
このデータは、完全な精度を保証するものではないが、Googleの戦略が実を結び始めていることを示唆していると言えるだろう。実際に、日本でもGoogleのPixelユーザーは確実に増えており、街中で見かける機会が本当に多くなった。Googleは2025年にTensor G5チップの製造をSamsungからTSMCへと移行する計画を進めており、製品の競争力のさらなる向上が期待される。
しかし、この成長が一時的な現象なのか、あるいは市場構造の本質的な変化の始まりなのかを見極めるには、今後数ヶ月の推移を注視する必要がある。特にiPhoneの新モデル発売後の動向や、年末商戦期の市場シェアの変動が、この成長の持続性を判断する重要な指標となるだろう。
ただし、既にGoogleが北米市場でMotorolaやOnePlusを上回る第三極としての地位を確立しつつあることは、スマートフォン市場に新たな競争環境が生まれつつあることを示唆している。この変化は、消費者にとってより多様な選択肢と、より競争的な価格設定をもたらす可能性が高い。今後の市場動向から目が離せない展開となっている。
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