MSIは、AM5マザーボード向けに新たなパフォーマンス最適化機能「Latency Killer」を導入した。この機能は、特にAGESA 1.2.0.2aアップデート以降に報告されているDDR5メモリのレイテンシ低下に対応するもので、最大8nsのレイテンシ改善を実現するという。
技術詳細と実装状況
Latency Killerは、MSIのMPG X870E Carbon WiFiマザーボードのBIOSアップデートで実装された。オーバークロッキングサブメニューに配置され、Auto、Enabled、Disabledの3つのオプションを提供する。Uniko’s Hardwareの検証によると、Ryzen 7 9800X3DとDDR5-8000 CL38メモリを組み合わせた環境で、High-Efficiency mode最高プリセットと併用した際に8nsのレイテンシ改善が確認されたようだ。
機能の特徴と影響
この機能はAGESA 1.2.0.2aマイクロコードアップデート以降に発生したレイテンシ低下を補正する目的で開発された。ただし、BIOSの説明によると、メモリレイテンシは改善されるものの、CPU性能に若干の影響を与える可能性がある。実際の動作では、過去のAGESAアップデート以前のレイテンシ性能を回復させる効果があり、メモリコントローラの最適化によって実現されているとされる。
Xenospectrum’s Take
このLatency Killer機能の実装は、MSIが顧客のニーズに素早く対応した好例といえる。しかし、8nsのレイテンシ改善は、特に96MBのL3キャッシュを搭載するX3D系CPUユーザーにとっては実用上の差異を感じにくい数値だ。むしろ注目すべきは、AMDが将来のAGESAアップデートでこの問題に対応予定という点だ。エクストリームオーバークロッカー以外のユーザーは、CPUパフォーマンスへの影響を考慮すると、この機能の有効化を急ぐ必要性は低いだろう。
Source
コメント