ソーラーセイルは、宇宙の溝を横断する謎めいた壮大な方法である。かつての帆船になぞらえれば、ソーラーセイルは宇宙で船を推進する最も効率的な方法のひとつである。火曜日、RocketLabのElectronロケットがNASAの新しいAdvanced Composite Solar Sail Systemを打ち上げた。これは、地球低軌道における大型ソーラーセイルの展開をテストすることを目的としており、水曜日にNASAは9メートルのセイルの展開に成功したことを確認した。
1886年、自動車が発明された。1903年、人類は初めて動力飛行に成功した。それからわずか58年後、人類は初めてロケットに乗って宇宙へ旅立った。ロケット技術は何世紀にもわたって、そう何世紀にもわたって大きく変化してきた。ロケットの開発は13世紀にさかのぼり、中国人とモンゴル人がロケット弾を発射する矢を撃ち合ったことから始まった。それ以来、物事は多少進歩し、現在では固体および液体ロケット推進剤、イオンエンジン、ソーラーセイルがあり、さらに多くの技術が控えている。
ソーラーセイルが特に注目されているのは、太陽や星の光の力を利用して探査機を宇宙空間に推進させるからだ。Johannes Kepler(惑星運動で有名)は17世紀、『Somnium』という著作の中で、宇宙船を推進するために太陽光を利用できることを初めて示唆した。しかし、ロシアの科学者Konstantin Tsiolkovskyがソーラーセイルが実際にどのように機能するかの原理を説明するまでには、20世紀まで待たなければならなかった。Carl Saganや惑星協会の他のメンバーは、70年代から80年代にかけてソーラーセイルを使ったミッションを提案し始めたが、最初の実用的なソーラーセイル船IKAROSを見たのは2010年になってからだった。
ソーラーセイルのコンセプトは非常に単純で、太陽光の圧力に頼っている。セイル(帆)は、光子が反射セイルに当たって跳ね返り、宇宙船を前進させるような角度になっている。もちろん、光を使って宇宙船を加速させるには大量の光子が必要だが、ゆっくりと時間をかければ、重いエンジンや燃料タンクを必要としない非常に効率的な推進システムとなる。このように質量を減らすことで、ソーラーセイルは太陽光で加速しやすくなるが、セイルを支えるブームの素材や構造によってセイルのサイズは制限されている。
NASAは、次世代ソーラーセイル・ブーム・テクノロジーでこの問題に取り組んでいる。彼らのAdvanced Composite Solar Sail Systemは、NanoAvionics社が製作したキューブサットを使い、新しいコンポジット・ブーム支持構造をテストする。これは柔軟なポリマーと炭素繊維材料から作られ、既存の支持構造設計に代わる、より硬くて軽いものを作る。
4月24日水曜日、NASAはキューブサットが地球低軌道に到達し、9メートルのセイルを展開したことを確認した。現在、探査機のパワーアップと地上契約の確立を行っている。80平方メートルに及ぶセイルを展開するのに約25分かかった。条件が整えば、地球から見えるかもしれないし、シリウスに匹敵する明るさになるかもしれない。
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この記事は、MARK THOMPSON氏によって執筆され、Universe Todayに掲載されたものを、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示4.0 国際)に則り、翻訳・転載したものです。元記事はこちらからお読み頂けます。
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