昨年、次世代のメモリ規格として登場したCAMM2は、従来のSO-DIMMを置き換える物として登場し、その大幅な薄型を実現した利点から、先日対応ノートPCがLenovoから登場した「LPCAMM2」のようにノートPC向けをターゲットとした規格と勘違いされやすいが、CAMM2自体は一部のメインストリームデスクトップPC向けやサーバー利用も想定してJEDCEによって規格が策定されている。
そして今回、そのCAMM2に対応した初のデスクトップ向けマザーボードがMSIから登場する事が明らかになった。MSIはメモリメーカーのKingstonと提携し、CAMM2メモリに最適化されたマザーボード「Z790 Project Zero Plus」の姿をXにてお披露目し、6月に開催されるComputex 2024で展示される予定であることを発表した。
見慣れたDIMMスロットがCAMM2に置き換えられる
MSIの「Z790 Project Zero Plus」マザーボードは、Xで公開された写真で確認出来るように、従来はマザーボードに垂直に差されていたDDR5 DIMMメモリが、マザーボードに水平にネジ止めされているDDR5 CAMM2メモリへと置き換えられている。その他のボード自体の仕様は現行のProject Zeroマザーボードと同様に、ケーブルマネジメントの改善のために、バックサイドコネクタを活用しているのが特徴だ。
CAMM2は、従来のDDR5 SODIMMに比べて薄型化が図られており、64%の省スペース化を実現する規格だ。とは言え、デスクトップではそこまでスペースを重視する必要がない。そのためサイズでのメリットはそこまでなさそうだが、Intelの今は亡きNUCのような超省スペースPCではメリットも出てきそうだ。
加えて、デスクトップでこれを用いた場合、従来のDIMMに比べてボードに垂直に差し込まない分、実質的に更に多くのスペースを確保することにつながり、加えてCPU周りのエアフローを改善することに繋がる可能性もありそうだ。
ちなみに、JEDECは既にCAMM2によって20,000 MT/sを超える超高速のDDR6とLPDDR6のサポートを決定し、デスクトップPCにも採用する計画を発表している。また、ネジ止めという手間のかかる設置方法も改善されるようだ。
Samsung、Micron、SK hynixなどの主要メモリメーカーは、すでに最新のCAMMソリューションを発表しており、CAMM2メモリの普及を促進する動きも期待出来る。十分な速度と品質を提供できれば、従来の「DIMM」モジュールに取って代わる可能性もありそうだ。
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