Googleの次期スマートフォン「Pixel 10」シリーズに搭載予定のプロセッサ「Tensor G5」とされるチップセットのベンチマークスコアが流出した。しかし、そのスコアは現行の「Tensor G4」をも下回るものなのだ。
流出したベンチマークスコアの詳細
Geekbenchに登場した「Google Frankel」という開発コード名のデバイスから、Tensor G5の性能が明らかになった。このチップセットは新しい「1+5+2」のCPUクラスター構成を採用しており、具体的には以下のスペックとなっている:
- 3.40 GHz駆動のプライムコア×1
- 2.86 GHz駆動のコア×4
- 2.44 GHz駆動の効率重視コア×2
ベンチマークスコアは以下の通りだ:
- シングルコア・スコア:1,323ポイント
- マルチコア・スコア:4,004ポイント
これは現行のPixel 9 Pro XLに搭載されているTensor G4の実測値(シングルコア:1,950ポイント、マルチコア:4,741ポイント)を大きく下回る結果となっている。
予想を覆す低スコアの背景
Tensor G5は、従来のSamsungではなくTSMCの3nmプロセス(N3E)で製造される予定とされており、理論上は大幅な性能向上が見込まれていた。
また、CPUアーキテクチャについても、最新のCortex-X925ではなく、Cortex-X4を採用する方針であることが報じられている。これに加えて:
- 5基のCortex-A725コア
- 2基のCortex-A520効率コア
という構成が採用される見込みだ。
今回流出したベンチマーク結果に現れた予想外の結果については、以下の2つの可能性を考慮する必要がある:
- 初期開発段階の結果である可能性
開発初期段階のプロトタイプチップである可能性が高く、最終製品では大幅な性能改善が期待できる。TSMCの3nmプロセスへの移行は、理論上、性能向上に寄与するはずである。 - Googleの戦略的判断の可能性
過去にGoogleの幹部は、Tensorシリーズはベンチマークスコアではなく、ユーザー体験の向上を重視していると発言している。しかし、オンデバイスAIや最新のゲームなど、高い処理能力を必要とするユースケースを考えると、純粋な演算性能の向上も無視できない要素となっている。
最終的な製品版では、より最適化された性能を発揮する可能性が高い。このチップセットはTSMCのN3Eプロセスで製造される予定であり、Tensor G4よりもCPUパフォーマンスがさらに悪くなる可能性は低い。今後のベンチマーク結果の動向に注目が集まる。
Sources
- Geekbench Browser: Google Frankel
- via Jukanlosreve
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