Googleの独占が認定されたが検索の巨人は今後どうなるのか？

2024年8月16日

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米国の裁判官は、Googleが独占状態にあり、この支配的地位を市場での立場を強化するために利用していると判断した。

控訴の対象となるこの裁定により、米国の規制当局は、Google、Meta、Amazonなどのテクノロジー巨人に対するアプローチにおいて、欧州委員会に近づいた。規制当局は現在、これらの企業のビジネスの性質が、最終的に市場を1つの巨大企業が支配する独占状態にしてしまうことに同意している。

したがって、消費者をテクノロジー巨人の支配力の集中から保護することが国家の役割となっている。企業としては、Alphabet（Googleの親会社）の収益の80%が広告から得られており、2021年には総額1,460億ドル（21兆7,560億円）に達した。同社のほぼすべての活動は、この観点から理解されなければならない。

Googleの広告収入の主な源は、インターネット上で最も古く、最も重要なサービスの1つである一般検索エンジン市場における90%のシェアから得られている。

アップルパイの最高のレシピから新しい掃除機の推奨まで、ユーザーに回答を提供するために、Googleはまずインターネット上で利用可能なすべてのページについての情報を収集する。次に、Webサイトのデータベース、検索に使用されたキーワード、他の人々が通常同様のクエリへの回答として好んだもの、さらにユーザーについて知っているすべての情報を使用して、可能な回答のランク付けを行う。

そして、企業は本物の検索結果と並んで自社のテキストを目立つように表示する権利に対して支払いを行う。検索結果の質が高ければ高いほど、より多くの顧客を獲得でき、広告主を引き付けやすくなる。また、広告を消費者の嗜好に合わせて調整できるため、広告主にとってより価値のあるものになる。

研究によるとデジタル広告からのビジネスへの実際の投資収益率は不明確で、時にはマイナスになることもあるが、検索広告は依然として高い需要がある。これはGoogleの収益の66%を占め、過去10年間で成長を続けている。

Google MapsやYouTubeなどの他のサービスも貢献している。まず、これらも広告収益を生み出す。しかし、検索広告をさらに調整するのに役立つ情報も提供している。これには、ユーザーがページに滞在する時間、クリックする内容、結果に対して肯定的または否定的に反応するか、物理的にどこにいるのか、そこにどのように移動したのかなどが含まれる。

ユーザーに関するこれらの情報はすべて保存され、単一の目的に役立つ。それは、広告主があなたに直接パーソナライズされた広告を配信するために、非常に価値のある詳細な消費者プロファイルを構築することである。

このような貴重なデータをすべて収集するためには、Googleが市場支配力を維持することが不可欠である。Googleは、最大数のユーザーにデフォルトの検索エンジンとして表示されるために、毎年260億ドル以上を費やしていると報告されている。

デフォルトプロバイダー

AndroidやAppleのスマートフォンでは、デフォルトでGoogleの検索が94.9%の市場シェアを占めている。GoogleはほぼすべてのWebブラウザでもデフォルトになっている。研究によると、他の検索エンジンに切り替えるコストが小さくても、デフォルトの位置が悪循環を引き起こす。消費者がデフォルトを利用し続けると、潜在的な代替手段は高品質の検索を提供したり、広告主にとって魅力的になるのに十分な消費者データを持つことができない。

Googleは検索エンジンの運営に年間84億ドルを費やしている – これはすでにデフォルトの検索エンジンであり続けるために費やしている莫大な金額に加えてのことである。現在、MicrosoftのBingは、全世界のWebをインデックス化するために何十億ドルも費やして、Googleと真に競争している唯一の検索エンジンである。

ある時点で、MicrosoftはGoogleの代わりにデフォルトを確保するために、当初Bingの収益の100%をAppleと共有することを提案した。Appleはそれでも断った：その金額はGoogleが提供できる金額よりも少なかった。Googleが必ずしも検索エンジンとしてはるかに優れているわけではない。Bingがデフォルトで提供される唯一のブラウザであるMicrosoft Edgeでは、80%のユーザーがBingを使用し続けている。AppleもMicrosoftからBingを購入することに興味がないと報告されている。

Google検索は単純にとても大きく、広告主から収益を上げるのが非常に上手いため、それから離れるのは非常にコストがかかる。多くの点で、検索エンジンでの広告市場は、インフラ設置のコストが非常に大きいため1社以上の企業が存在する余地がない水道配給や鉄道線路などの法的独占に非常に近い。

声明の中で、GoogleのグローバルアフェアーズプレジデントであるKent Walkerは次のように述べている：「この決定は、Googleが最高の検索エンジンを提供していることを認識していますが、それを簡単に利用可能にすることを許可されるべきではないと結論付けています。裁判所が『Googleは業界最高品質の検索エンジンであり、数億人の日々のユーザーの信頼を得ている』こと、『Googleは長年最高の検索エンジンであり、特にモバイルデバイスにおいて』、『検索において革新を続けている』こと、そして『AppleとMozillaは時折Googleの検索品質をライバルと比較し、Googleの方が優れていると判断している』ことを認めたことを評価します。

これらを考慮し、人々がますます多くの方法で情報を探していることを踏まえ、我々は控訴する予定です。このプロセスが続く中、我々は人々が役立ち、使いやすいと感じる製品を作ることに引き続き焦点を当てていきます」。

考えられる次のステップ

最近の米国の訴訟では、裁判官はまだGoogleに独占の使用をやめさせる方法を発表していない。

一部のライバルは、Googleの広告事業を検索エンジンから分離することを望んでいる。別の解決策として、Googleが収集したデータを共有することを強制するというものがある。そうすることで、すべての人の検索結果を改善できる可能性がある。

家庭に水を運ぶ競合するパイプを持つことにあまり意味がないのと同様に、複数の企業が全く同じ情報を収集するために何十億ドルも支払うことは経済的にほとんど意味がない。これが、一部のグループがGoogleにデータを共有させることを支持する理由である。

しかし、大手テクノロジー企業に対する具体的なルールを設定する既存の試みは、消費者にとって明らかな利益がない場合もある。例えば、欧州委員会は、AlphabetにGoogle検索結果から場所に関する情報を直接Google Mapsに送信することを停止するよう求めた。しかし、ある分析によると、Googleが検索結果からクリック可能な地図をGoogle Mapsの参照とともに削除したとき、他の地図サービスの検索はわずかに増加しただけだった。一方、Google Mapsへのアクセスはほとんど変化しなかった。

したがって、この市場により多くの競争を導入するためのすべての法的措置にもかかわらず、消費者体験をさらに悪化させることなく規制当局が取ることができる実際的な手段について、依然として大きな疑問が残っている。

本記事は、Renaud Foucart氏によって執筆され、The Conversationに掲載された記事「Google monopoly ruling: where the tech giant goes from here」について、Creative Commonsのライセンスおよび執筆者の翻訳許諾の下、翻訳・転載しています。