私たちは宇宙で唯一の存在ではない可能性が高い。これまでに数千個の系外惑星が発見されており、私たちの銀河だけでも数十億個の居住可能な惑星が存在する可能性がある。しかし、地球外生命の証拠を見つけることは困難であり、現在保有する最も強力な望遠鏡でさえ、決定的な証拠を得られない可能性がある。しかし、生命を発見できる可能性のある望遠鏡が開発中である。建設と打ち上げまでには数十年かかるが、打ち上げられた際にはどの恒星系を最初の観測対象とすべきだろうか。この疑問に最近の論文で答えが示されている。
生命探査を具体的な目的とした2つの大規模プロジェクトが進行中である。1つはNASAのHabitable Worlds Observatory (HWO)であり、もう1つはLarge Interferometer For Exoplanets (LIFE)である。どちらも高分解能分光法を使用して系外惑星の大気の化学組成を調べ、生命の痕跡となる可能性のある特徴を特定する。しかし、どちらも設計と提案の初期段階にあり、打ち上げは早くても2040年代となる見込みである。また、詳細なスペクトルを取得するには長時間の観測が必要という欠点もある。そのため、打ち上げ後は無作為に系外惑星を観測することはできず、具体的な計画が必要となる。
この新しい論文はここで重要となる。研究チームは観測対象の優先順位付けの基準を示している。様々な情報源から、既知の系外惑星系を最適なグループに分類している。第1のグループは、地球から30パーセク以内にある主系列星である。しかし、近傍のすべての恒星を対象とするのではなく、単独星か広連星系の恒星のみがリストに含まれている。これは、安定した軌道を持つ惑星系が存在する可能性が最も高いためである。また、大規模なフレアやX線を放出して生命に敵対的な環境となる可能性が高い赤色矮星は除外されている。
第2のグループは、LIFEとHWOによる観測に最適な空域に位置する恒星系で構成されている。例えば、地球の軌道面に沿って配置された系は、年間の一定期間、太陽が観測の妨げとなるため、研究が困難となる。
第3のグループは「ゴールデンターゲット」である。これらは、大気を持つ居住可能な惑星が存在することが知られており、観測条件が excellent な系である。現在このグループには約10の系が含まれているが、LIFEとHWOの打ち上げまでに、将来の観測によってリストに追加される可能性が高い。このグループがこれらのミッションの優先観測対象となる。
興味がある場合は、LIFE Target Star Databaseで各グループに含まれる恒星系を確認することができる。
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