AppleがM4 iPad Proで導入した「タンデムOLED」テクノロジーは、圧倒的な輝度と単層のOLED(有機EL)と比較して長寿命であることから大きな話題となったが、このタンデムOLEDを採用した新たなノートPC向けパネルをLG Displayが発表した事から、そう遠くない未来にノートPCにも採用され、製品が登場することになりそうだ。
従来の単層OLEDから輝度は3倍、寿命は2倍を実現
タンデムOLED技術は、その名が示す通り、赤、緑、青(RGB)のOLEDパネル2層を積層し、耐久性と性能を向上させる技術だ。元々2019年にLG Displayによって商業化されたタンデムOLED技術は、当初は厳格な業界基準を満たす必要がある自動車メーカーに採用された。
だが、LG Displayによるその性能の向上幅は、ノートPCやタブレット向けとしても魅力だ。新たなLG Displayのノートパソコン向けタンデムOLEDスクリーンは、標準的な単層OLEDディスプレイと比較して寿命が2倍、輝度が3倍になり、消費電力を40%削減できるという。
また、LG Displayの新しい13インチタンデムOLEDスクリーンは、WQXGA+(2,880 x 1,800)解像度を誇り、DCI-P3色空間を100%カバーし、Video Electronics Standards Association(VESA)によってDisplay HDR True Black 500として認証されている。また、タッチ操作にも対応している。これらの機能を備えながら、従来のOLEDディスプレイと比較して厚さが約40%薄く、重量が28%軽量化されており、ノートパソコンのような携帯用途に非常に適している。
Appleの新しいiPad Proに搭載されたタンデムOLEDは、SDRおよびHDRコンテンツの全画面輝度を1000ニトまで向上させ、HDRのピーク輝度もiPhone並みの1600ニトを実現している。AppleがiPadのスクリーンをLG Displayから調達したかどうかは不明だが、その可能性は高い。
LGは、パネルの商業展開時期や最初に採用する企業については言及していないが、Tom’s Hardwareによると、Dellの新しいXPS 13が最初に採用する可能性が高いという。価格も不明だが、従来のOLEDパネルよりも高価になるのは必至だろう。この価格上昇がそのまま製品価格の向上に繋がるのかどうかは不明だが、高い付加価値を鑑みればその可能性も否めないだろう。
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