NVIDIAが次世代グラフィックスカード「GeForce RTX 5000」シリーズを2025年第1四半期(1月〜3月)に立て続けにリリースする計画であることが、情報筋からもたらされた。この新シリーズは、ハイエンドからミドルレンジまで、わずか3ヶ月の間に全ラインナップが出揃う予定だという。
RTX 5000シリーズ、2025年第1四半期に立て続けに登場
中国の情報サイト「Board Channels」によると、NVIDIAは以下のようなアグレッシブな発売スケジュールを計画しているという:
- 2025年1月:RTX 5090および5080シリーズ
- 2025年2月:RTX 5070および5070 Tiシリーズ
- 2025年3月:RTX 5060および5060 Tiシリーズ
この情報が事実であれば、PCゲーマーたちは現行のRTX 4000シリーズの後継機を待つ時間が大幅に短縮されることになる。特筆すべきは、以前のリークでは言及されていなかったRTX 5070 TiとRTX 5060/5060 Tiの存在だ。これらの新モデルの追加により、NVIDIAは幅広い価格帯で競争力を維持しようとしていると考えられる。
RTX 5090:モンスター級の性能向上が期待される最上位モデル
RTX 5000シリーズの最上位モデルとなるRTX 5090は、その前身であるRTX 4090を大きく上回る性能を誇ると予想されている。信頼性の高いリーカーとして知られるkopite7kimiの情報によると、RTX 5090は以下のような仕様になるという:
- GPU:GB202-300-A1(コードネーム:David Blackwell)
- シェーダーユニット:21,760(前モデル比33%増)
- ストリーミングプロセッサ:170
- メモリバス:512ビット(前モデル比14%増)
- ビデオメモリ:32GB GDDR7(前モデル比33%増)
- TGP(Total Graphics Power):600W(前モデル比33%増)
特に注目すべきは、ビデオメモリが24GBから32GBへと大幅に増量されている点だ。これにより、4K解像度以上の超高解像度ゲーミングや、大規模なAIモデルの処理など、メモリを大量に必要とするタスクでさらなる性能向上が期待できる。
モデル | GPU | シェーダーユニット | メモリ | メモリバス | TGP |
---|---|---|---|---|---|
RTX 5090 | GB202-300-A1 | 21,760 | 32GB GDDR7 | 512-bit | 600W |
RTX 4090 | AD102-300-A1 | 16,384 | 24GB GDDR6X | 384-bit | 450W |
しかし、この驚異的な性能向上には代償が伴う。TGPが450Wから600Wへと33%も増加しており、電源ユニットの強化が必須となるだろう。また、冷却システムもより高性能なものが必要になると予想される。
RTX 5080と5070:バランスの取れた性能向上
RTX 5080とRTX 5070に関しても、興味深い情報が明らかになっている。
モデル | GPU | シェーダーユニット | メモリ | メモリバス | TGP |
---|---|---|---|---|---|
RTX 5080 | GB203-400-A1 | 10,752 | 16GB GDDR7 | 256-bit | 400W |
RTX 4080 | AD103-300-A1 | 9,728 | 16GB GDDR6X | 256-bit | 320W |
RTX 5070 | GB205 | TBD (〜6,400?) | 12GB GDDR7 | 192-bit | 250W |
RTX 4070 | AD104-250-A1 | 5,888 | 12GB GDDR6X | 192-bit | 200W |
RTX 5080の主な仕様は以下の通り:
- GPU:GB203-400-A1
- シェーダーユニット:10,752(前モデル比10%増)
- ストリーミングプロセッサ:84
- メモリバス:256ビット(変更なし)
- ビデオメモリ:16GB GDDR7(容量は変更なしだが、より高速なGDDR7を採用)
- TGP:400W(前モデル比25%増)
RTX 5080は、シェーダーユニット数で見ると約10%の性能向上にとどまっているが、新しいアーキテクチャの採用や高速なGDDR7メモリの搭載により、実際の性能向上は15〜25%程度になると予想されている。
一方、RTX 5070に関しては詳細な仕様が明らかになっていないが、以下のような予測がなされている:
- メモリバス:192ビット(変更なし)
- ビデオメモリ:12GB GDDR7
- TGP:250W(前モデル比25%増)
RTX 5070は、メモリ容量こそRTX 4070と同じ12GBだが、GDDR7メモリの採用によりメモリ帯域が約33%向上し、672GB/sに達すると見られている。
RTX 5060
RTX 5060については、まだ詳細なスペックは明らかになっていないが、RTX 5070と同様に、GDDR7メモリを採用し、性能が向上すると予想される。
価格予想
NVIDIAがこれほど短期間で全ラインナップを刷新することは異例だ。この戦略は、AMDの次世代GPUであるRadeon RX 8000シリーズへの対抗策とも考えられる。特に、RTX 5060およびRTX 5070シリーズは、AMDのRDNA 4アーキテクチャを採用したGPUと直接競合することになるだろう。
価格に関しては、RTX 5090が現行のRTX 4090の発売時価格である1,599ドルを大きく上回る可能性も囁かれているが、一部では現行モデルから大幅な価格上昇はないとも言われており、NVIDIAが最終的にどのような価格戦略を取るのかに注目が集まる。とは言え、現在、RTX 4090の市場価格は発売時の価格を上回る価格で取引されており、NVIDIAが市場シェア88%を占める独占状態にあることを考えると、「世界最速のグラフィックボード」として、かなり強気な価格設定がなされる可能性もあるだろう。
RTX 5080とRTX 5070シリーズに関しては、現行モデルよりも若干高めの価格設定になると予想されるが、具体的な数字は明らかになっていない。
Xenospectrum’s Take
NVIDIAのRTX 5000シリーズは、PCゲーミングの世界に新たな革命をもたらす可能性を秘めている。特にRTX 5090は、その圧倒的な性能向上により、8K解像度でのゲーミングや、リアルタイムレイトレーシングをさらに進化させると期待できる。
しかし、この性能向上には大きな代償が伴う。消費電力の大幅な増加は、環境への配慮や電気代の観点から見ると懸念材料だ。また、高価格化が予想されることから、ハイエンドゲーミングの敷居がさらに高くなる可能性もある。
一方で、RTX 5080やRTX 5070シリーズは、より現実的な選択肢として多くのゲーマーの注目を集めるだろう。特にRTX 5070は、コストパフォーマンスの高さから、最も人気のあるモデルになる可能性が高い。
NVIDIAがこれほど短期間で全ラインナップを刷新する背景には、AMDへの対抗意識だけでなく、Intel ArcシリーズやAppleのM4チップなど、新たな競合の台頭を意識した戦略があるのかもしれない。
とは言え、RTX 5000シリーズは間違いなく大きな性能向上を果たす製品ラインナップとなるだろう。しかし、その真価が発揮されるかどうかは、ゲーミングコンテンツの進化や、開発者たちがこの新しいハードウェアの能力を最大限に引き出せるかどうかにかかっていることもまた事実だ。
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