RTX 4090で発生した電源コネクタの融解問題について、NVIDIAが次世代のRTX 50シリーズでは再発しないと断言した。韓国で開催されたNVIDIA RTX AI Day 2025において、同社幹部陣が新設計の12V-2×6電源コネクタの安全性を強調。フラッグシップモデルRTX 5090が前世代比125W増となる575Wの電力を消費するにもかかわらず、安全性は確保されているという。
新コネクタで安全性を確保
NVIDIA APAC テクニカルマーケティング部門ディレクターのJeff Yen氏、GeForceテクニカルマーケティング部門ディレクターのSean Cleveland氏、そしてNVIDIA Korea上級副社長のSunwook Kim氏は、新設計の12V-2×6コネクタについて詳細な説明を行った。旧来の12VHPWRコネクタで発生していた問題に対応し、センスピンを後方に配置することで、適切な接続が確認できるまで高出力を要求しない仕組みを実装している。
この新設計により、過去2年間にわたって報告されていた電源コネクタの溶解問題は解決されたとNVIDIAは主張している。ハードウェアテスト専門機関のHardwareBustersとLinwellによる検証でも、不適切な接続状態でも安全な温度を維持できることが確認されている。
メーカー各社も独自の安全対策を実装
RTX 50シリーズの製品パートナーも、独自の安全機構を実装している。MSIは黄色いチップを備えた電源ケーブルを採用し、正しく接続された場合には黄色い部分が見えなくなる視覚的な確認機構を実装。Zotacはさらに一歩進んで、電源ケーブルが完全に接続されるまでGPUの起動を防止するSafety Light機能を搭載している。
RTX 5090(575W)とRTX 5080(360W)は2025年1月30日に発売予定だ。RTX 5070 Ti(300W)は2月20日、RTX 5070(250W)はその後に市場投入される見込みだ。競合のIntelやAMDは依然として従来の8ピンフォーマットを採用しているが、これは両社の製品が300W未満の中位~エントリー市場を狙っているためとされる。
なお、将来的にはBTFフォーマットによって、電源ケーブル自体が不要になる可能性も示唆されている。
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