OpenAIが出版大手Condé Nastとの間で、同社の著名な出版物のコンテンツをAI製品に活用する画期的な契約を締結した。この契約により、The New Yorker、Vogue、Wiredなどの人気雑誌の記事がChatGPTやSearchGPTといったOpenAIの製品で利用可能になる。
Condé Nastが進めるコンテンツ利用の拡大
OpenAIは、SearchGPTプロトタイプの導入に伴い、情報検索と信頼できるコンテンツソースの発見をより迅速かつ直感的にする新機能をテストしていると発表した。この契約により、OpenAIは自社の対話モデルをWeb上の情報と組み合わせ、明確で関連性の高い情報源を示しながら、迅速かつタイムリーな回答を提供することが可能になる。
契約の具体的な条件は公表されていないが、Condé Nast CEOのRoger Lynch氏は社内メモで、この「複数年」契約にはOpenAIからの何らかの形での支払いが含まれることを示唆した。Condé Nastの広報担当者は、OpenAIが同社のコンテンツを学習に使用する許可を得たことを明らかにした。
この提携は、OpenAIが最近進めている一連のメディアパートナーシップの最新のものだ。Associated Press、Axel Springer、The Atlantic、Financial Times、News Corp、Timeなど、多くの有力メディアがすでにOpenAIと同様の契約を結んでいる。
しかし、これらの契約は記者や編集者の意見を聞かずに締結されており、一部の従業員から不満の声が上がっている。また、AIによるコンテンツ生成が普及する中、ニュース組織やコンテンツ制作者が知的財産権保護に向けてより積極的な姿勢を見せている点も注目される。
The New York TimesやChicago Tribuneなどの有力紙がOpenAIを著作権侵害で提訴するなど、AIとメディアの関係は必ずしも平坦ではない。しかし、OpenAIとCondé Nastの今回の提携は、AIとメディアが互恵的な関係を築く可能性を示すものとして、業界内外から注目を集めている。
コメント