Seagateが最近出荷を始めた「Mozaic 3+」HDDプラットフォームは、HDDにとっておよそ10年ぶりに登場した大きな新技術である「熱アシスト磁気記録方式(Heat Assisted Magnetic Recording: HAMR)」を採用している。HAMRの採用により、Seagateは更に大容量のHDDを実現することが可能となり、30TB HDDを顧客に提供するとともに、近く50TBユニットの発売も計画しており、他社に対して優位な立場に立つことが出来ている。だが、HAMRは従来とは全く異なる読み書きヘッドを使用しているため、耐久性への懸念も根強い。そんな中、SeagateはこのHAMR採用のMozaic 3+プラットフォームの信頼性について、従来のHDD技術と同等か、それ以上だと主張する新たなブログを投稿し、顧客と業界パートナーを安心させようとしている。
Seagateは、Mozaic 3+と初の商用HAMRドライブの開発に20億ドル以上を費やし、ディスクあたり3TB以上の面密度を持つ、新しいレベルの大容量ストレージを提供した。Seagateは、HAMRを市場に投入するために多大な研究開発努力を行い、Mozaic 3+には、同社が地球上で最も複雑な「ナノスケール記録技術」と材料科学のブレークスルーと説明するものが含まれている。
HAMRは、HDDに大きな変革をもたらす技術だ。Seagateは、Mozaic 3+と初の商用HAMRドライブの開発に20億ドル以上を費やし、ディスクあたり3TB以上の面密度を持つ、新しいレベルの大容量ストレージを提供している。後は信頼性だ。
Seagateは、50万台以上のMozaic 3+ハードディスク・ドライブをテストし、顧客および業界パートナーと協力して、HAMRの実装に関するフィードバックを収集した。Mozaic 3+ドライブは、既存の装置で使用されているのと同じHDD標準およびプロトコルを採用しているため、現在のデータ・センター・エコシステムにシームレスに溶け込むことができると、同社は付け加えた。新しいドライブの定格平均故障間隔 (MTBF) は250万時間で、これはExosシリーズの最新の垂直磁気記録 (PMR) エンタープライズ・ハードディスク・ドライブと同じである。
Seagateは結果として、数千個のMozaic 3+読み取り/書き込みヘッドが耐久性を証明するためにテストされ、6,000時間以上、つまりヘッド1個あたり3.2ペタバイトのデータを「確実に」転送することができたと報告している。これは、一般的なHDDで転送されるデータ量の20倍以上である。フィールド・ストレス・テストでは、Mozaic 3+の読み書きヘッドは7年以上使用可能で、現行のPMRベース製品のほとんど(5年)を上回ることが示されている。
データ・ストレージ・ソリューションに対する世界的な需要は増加の一途をたどっており、特にAI需要の急増により価格は高騰している。Seagateは、同社の新しいHAMRハードディスク・ドライブが、ストレージ技術市場における重要かつ信頼性の高い新たな進歩として歓迎されることを望んでいる。
Sources
コメント