Microsoftが2024年10月2日に公開した最新のWindows 11アップデート「24H2」において、早くもいくつかの問題が報告されている。特にゲーマーにとっては看過できない不具合も報告されており、ゲームのクラッシュやブルースクリーン(BSOD)の発生が確認されている。
Windows 11 24H2アップデートのバグ報告
Windows 11 24H2は、Microsoftの最新フラッグシップOSのメジャーアップデートとして期待されていた。しかし、リリースからわずか1日で、複数の重大な問題が浮上している。
- ゲームクラッシュ:人気レースゲーム『Asphalt 8』が、アップデート後に突然クラッシュする事例が報告されている。
- BSOD(ブルースクリーン・オブ・デス):Easy Anti-Cheatを使用するゲームで、「MEMORY_MANAGEMENT」エラーによるBSODが発生している。これは主に2024年4月以前のバージョンのEasy Anti-Cheatを使用しているゲームで確認されている。
- その他の不具合:Intel製PCでの古いオーディオドライバーとの互換性問題、指紋センサーの不具合、Safe Exam Browserとの互換性問題なども報告されている。
- 壁紙アプリケーションの機能障害:一部の壁紙アプリが正常に動作せず、仮想デスクトップに問題が生じる可能性がある。
上記の問題を受けて、Microsoftは影響を受ける可能性のあるシステムに対して「互換性ホールド」を適用。これにより、Windows Update経由での24H2アップデートが制限されている。
これらの問題は、Windows 11ユーザーの約4億台以上のデバイスに潜在的な影響を与える可能性がある。特にゲーマーコミュニティにとっては、オンラインマルチプレイヤーゲームの利用に支障をきたす恐れがあり、早急な対応が求められている。
ユーザーができる対処法:
- ゲームの最新アップデートを適用する:開発者が互換性の問題を修正した新バージョンをリリースしている可能性がある。
- Windows Updateを定期的にチェックする:Microsoftが問題を修正したアップデートをリリースする可能性がある。
- アップデートを延期する:重要なゲームプレイや作業がある場合は、問題が解決するまでアップデートを控える。
- 手動でアップデートする場合は注意が必要:Windows 11 Installation Assistantを使用して強制的にアップデートすることも可能だが、リスクを伴う。
Xenospectrum’s Take
Windows 11 24H2アップデートの問題は、現代のOSアップデートの複雑さと、多様なハードウェア・ソフトウェア環境との互換性維持の難しさを浮き彫りにしている。Microsoftは4億台以上のデバイスに対応する必要があり、Windows Insider Programの700万人以上のメンバーによるテストでも、全ての問題を事前に発見することは困難だ。
この状況は、ソフトウェア開発における「犠牲的アップデート」の概念を想起させる。初期のアップデートは、広範囲のユーザーベースで問題を発見し、迅速に修正するための手段となっている。しかし、ゲーマーやプロフェッショナルユーザーにとっては、システムの安定性が最優先事項であり、このアプローチは受け入れがたいものかもしれない。
今後、Microsoftはより堅牢なテスト方法と、問題が発生した際の迅速な対応体制の構築が求められる。同時に、ユーザー側も重要なアップデートの適用を慎重に判断し、必要に応じて延期するなど、より賢明なアプローチが必要となるだろう。
この事例は、テクノロジー企業とユーザーコミュニティの協力の重要性を再認識させるものであり、より安定したソフトウェアエコシステムの構築に向けた新たな議論のきっかけとなるかもしれない。
Sources
- Windows Release Health: Windows 11, version 24H2 known issues and notifications
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