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Windows 11 24H2が突如リリース:2年ぶりの大型アップデートの主な変更点はこちら

Y Kobayashi

2024年10月2日

Microsoftは本日、Windows 11の最新メジャーアップデートとなる「Windows 11 2024 Update」(通称:Windows 11 24H2)の一般ユーザー向け配信を突如開始した。この予告なしのリリースは、多くのユーザーの予想を裏切る物だろう。

突然のリリースと24H2の位置づけ

Windows 11 24H2は、2年ぶりとなる大規模なアップデートであり、2021年の初期リリース以来、最も重要な更新と位置付けられている。一部では「Windows 12」としてリリースされるのではないかとの噂もあったが、最終的にMicrosoftはWindows 11のブランディングを維持することを選択した。

John Cable氏(MicrosoftのWindows Servicing and Delivery担当副社長)は、この更新について次のように述べている:

「本日より、Windows 11 2024 Update(Windows 11バージョン24H2としても知られる)のリリースを開始します。このアップデートは、革新的なAIエクスペリエンスと卓越したパフォーマンスを提供するために必要な新しい基盤要素を含む、完全なオペレーティングシステム(OS)の入れ替えです」。

配信は段階的に行われ、まずはWindows 11バージョン22H2または23H2を実行しており、新機能のアップデートをより早く受け取るオプトインを選択しているPCから開始される。ユーザーは「設定」→「Windows Update」で「最新の更新プログラムが利用可能になったらすぐに入手する」を有効にすることで、早期にアップデートを受け取ることができる。

しかし、すべてのデバイスが即座にアップデート可能というわけではない。Microsoftは互換性の問題を防ぐため、Windows 11 24H2への更新が適していないと判断したデバイスには「セーフガードホールド」を適用し、関連する問題が解決されるまでアップデートを控える方針を示している。

Windows 11 24H2アップデートがもたらす主な新機能と改善点

Windows 11 24H2は、ユーザーエクスペリエンスを大幅に向上させる多数の新機能と改善点を含んでいる。主な更新内容は以下の通りだ:

AI機能の強化

  • Windows Recall: 大幅に改良されたAI駆動の検索機能。自然言語での検索が可能に。オフ機能の追加(11月からIntelとAMD端末にも展開予定)
  • 超解像: 低解像度の写真を高品質に変換する機能(Photosアプリ)。
  • 生成的な塗りつぶし/消去機能: Paintアプリで画像の要素を追加・削除可能に。
  • Click to Do: 画面上にインタラクティブなオーバーレイを表示し、クイックアクションを提案。

パフォーマンスとユーザビリティの向上

  • Energy Saver: 旧Battery Saver設定に代わる新機能。ノートPCのバッテリー寿命を延ばすための新機能
  • ファイルエクスプローラーの刷新:最近使用したファイル、お気に入り、共有ファイルをタブ表示で統合
  • スタートメニュー: Phone Linkユーザー向けのサイドパネル追加(電話のバッテリー状態、通知、メッセージ、通話、写真へのクイックアクセス)
  • クイック設定: すべてのクイックアクションをデフォルトで表示、ドラッグ&ドロップ可能に。

新しいハードウェアサポート

  • Wi-Fi 7対応
  • 80Gbps USB4 Version 2.0ポートのサポート
  • Bluetooth LE Audio: 補聴器サポートの改善。

その他の注目すべき変更点

  • HDR背景サポート: HDRモニター所有者向け。
  • コンパイラ、カーネル、スケジューラの更新
  • Arm-to-x86アプリ変換レイヤー(Prism)の性能と互換性向上
  • 最新のAMDデスクトップCPUのパフォーマンス改善
  • システムトレイの変更:時刻と日付のUIを簡素化(年表示を削除)
  • コンテキストメニューの改善:コピー、貼り付け、名前の変更などの一般的なアクションにラベルを追加し、より大きく明確に

開発者向け機能

  • Sudoの導入:Unix系オペレーティングシステムで人気のコマンドをWindowsでも使用可能に
  • Windowsカーネルへのプログラミング言語Rust製カーネルの統合

これらの新機能の多くは、すべてのWindows 11ユーザーが利用できるわけではない。特に、AI関連の高度な機能は「Copilot+」プログラムの要件を満たすPCでのみ利用可能となる。これらのPCには、16GBのRAM、256GBのストレージ、そして少なくとも40兆回の演算/秒(TOPS)を処理できるニューラル処理ユニット(NPU)が必要とされる。

また、Windows 11 24H2のインストール後、Cortana、Tips、WordPadアプリケーションは自動的に削除される。これは、Microsoftが5月に発表した方針に従ったものである。

Xenospectrum’s Take

Windows 11 24H2の突然のリリースは、Microsoftの戦略的な動きとして興味深い。この予告なしの配信は、ユーザーの期待を超えるサプライズ要素を持ちつつ、同時に段階的な展開によってシステムの安定性を確保するという、バランスの取れたアプローチを示している。

特に注目すべきは、AIテクノロジーの統合度の高さだ。Windows RecallやPaintアプリの新機能など、日常的なタスクにAIを組み込むことで、ユーザーエクスペリエンスを大きく向上させる可能性がある。しかし、これらの高度な機能が特定のハードウェア要件を持つCopilot+ PCに限定されている点は、一般ユーザーにとっては少々残念かもしれない。

また、開発者向けのSudo導入やRustのカーネル統合は、Windowsをよりオープンでフレキシブルなプラットフォームに押し上げる重要な一歩だと言える。これにより、Linux環境に慣れた開発者たちがWindowsでより快適に作業できるようになるだろう。


Sources

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