Windows 11の最新バージョン24H2をインストールしたユーザーの間で、奇妙な現象が報告されている。システムのディスク容量を確保しようとした際、8.63GBものデータが削除できないという問題だ。この現象は、Windows標準のディスククリーンアップユーティリティを使用しても解決せず、「Windows Update Cleanup」カテゴリに約8.63GBのデータが常に表示され続けるというものだ。
当初、この問題の原因として、Windows 11 24H2で導入された新しい「チェックポイント累積更新プログラム」機能が関係しているのではないかという憶測が広がった。この機能は、セキュリティや機能の更新プログラムを小さな増分チャンクで受信できるようにするもので、大規模なダウンロードなしにシステムを最新の状態に保つことを目的としている。
しかし、この推測は間もなく覆されることとなる。Microsoftが公式に問題の存在を認め、その真相を明らかにしたのだ。
Microsoftの公式説明と対応
Microsoftは2024年10月14日、Windows 11 24H2のリリースに関する既知の問題のリストに、この問題を追加した。同社の説明によると、これは実際のディスク容量の問題ではなく、「報告エラー」であるという。
Microsoftは次のように説明している:
これは報告エラーです。『Windows Update Cleanup』を選択し、ディスククリーンアップを初めて実行すると、そのカテゴリ内のファイル(例えば15GB)の一部または全部が正しくクリーンアップされ、関連するディスク容量は予想通りに解放されます。
ただし、この初回の実行後、ツールは『Windows Update Cleanup』カテゴリでまだクリーンアップ可能な容量(例えば88GB)を不正確に報告する場合があります。この不正確なディスク容量は、初回の実行で既に解放されているにもかかわらず報告されます。
つまり、ファイルは実際に削除されているにもかかわらず、ディスククリーンアップツールがその情報を正しく反映できていないということだ。Microsoftはこの問題の根本原因を調査中であり、修正プログラムが利用可能になり次第提供するとしている。
ユーザーへの影響と懸念事項
この「報告エラー」は、システムを常にクリーンな状態に保ちたいユーザーにとって、非常に煩わしい問題である。特に、ストレージ容量が限られたデバイスを使用しているユーザーにとっては、8.63GBという容量は決して無視できるものではない。
さらに懸念されるのは、この問題がWindows 11 24H2の品質管理に対する疑問を投げかけている点だ。ディスククリーンアップツールという基本的な機能にバグが存在することで、ユーザーの間には「他にどのような問題が潜んでいるのか」という不安が広がっている。
また、この問題は、Windows 11 24H2のロールアウトが比較的順調に進んでいるとされる中で発生した。そのため、今後さらなる問題が表面化する可能性を示唆しており、ユーザーの警戒心を高めている。
その他のWindows 11 24H2の既知の問題
不幸なことに、8.63GBの削除不能キャッシュの問題は、Windows 11 24H2が直面している唯一の課題ではない。Microsoftは他にもいくつかの問題を認識しており、対応を進めている。
例えば、Intel Smart Sound Technologyドライバーと一部の指紋センサーに関する問題が報告されている。また、今月のPatch Tuesdayアップデートでは、ブートループやBluetoothおよびUSB接続の障害につながるバグが修正された。
さらに、WD HMB搭載のNVMe SSDにおけるBSOD(ブルースクリーン・オブ・デス)の問題も報告されており、この修正にはレジストリの変更が必要とされている。
一方で、SFCスキャンエラーに対する修正プログラムも近日中に提供されるとMicrosoftは約束している。
これらの問題の存在は、新しいオペレーティングシステムの導入に伴うリスクを浮き彫りにしており、ユーザーに慎重な対応を促している。
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