Appleは本日、次世代のシリコン「M4」シリーズを搭載した新型MacBook Proシリーズを発表した。新モデルは14インチと16インチの2サイズを展開し、エントリーレベルのM4から、クリエイター向けのM4 Pro、そして究極の性能を誇るM4 Maxまで、幅広いユーザーニーズに応える3つのチップバリエーションを用意している。
性能と価格のバランスを追求した新ラインナップ
新シリーズの入り口となる14インチM4 MacBook Proは、248,800円という手の届きやすい価格ながら、10コアCPUと10コアGPUを搭載し、前モデルから大幅な進化を遂げている。特筆すべきは、標準搭載メモリが8GBから16GBへと倍増したことだ。これにより、複数のクリエイティブアプリケーションの同時起動やApple Intelligenceの活用など、より快適なマルチタスク環境が実現している。ストレージは512GBからスタートし、必要に応じて2TBまでの増設が可能だ。
中核を担う14インチM4 Pro MacBook Proは、328,800円からの価格設定で、プロフェッショナル向けの機能を満載している。12コアCPUと16コアGPUの基本構成に加え、最大で14コアCPU、20コアGPUまでアップグレード可能だ。標準メモリも24GBと大容量化し、最大64GBまで拡張できる。さらに、次世代の高速インターフェースであるThunderbolt 5を採用し、データ転送速度の大幅な向上を実現している。
最上位に位置する16インチモデルは、M4 ProとM4 Maxの2つのチップオプションを用意。M4 Pro搭載モデルは398,800円から、M4 Max搭載モデルは554,800円からとなっている。特にM4 Maxモデルは、16コアCPU、40コアGPU、そして最大128GBものメモリを搭載可能で、プロフェッショナルの要求に応える圧倒的な性能を提供する。
M4シリーズが実現する次世代コンピューティング
M4チップファミリーの基本となるM4チップは、10コアCPUと10コアGPUという構成で、効率重視の6コアと性能重視の4コアを組み合わせたハイブリッド設計を採用している。この構成により、日常的なタスクでは省電力性を保ちながら、必要に応じて強力な演算性能を発揮することが可能となっている。
より高度な処理能力を必要とするユーザー向けのM4 Proは、最大14コアCPU(パフォーマンスコア10基、効率コア4基)と20コアGPUを搭載。前世代のM3 Proと比較して、メモリ帯域幅が30%向上し、より複雑な画像処理やコード開発において顕著な性能向上を実現している。また、標準搭載メモリが24GBに増量されたことで、大規模なプロジェクトやコンテンツ制作においてもストレスのない作業環境を提供する。
M4シリーズの頂点に立つM4 Maxは、16コアCPU(パフォーマンスコア12基、効率コア4基)と最大40コアGPUという圧倒的なスペックを誇る。特筆すべきは、0.5TB/sという驚異的なメモリ帯域幅を実現していることだ。これにより、8K動画編集や機械学習モデルのトレーニングなど、極めて負荷の高い処理でも卓越したパフォーマンスを発揮する。最大128GBまで拡張可能なユニファイドメモリと組み合わせることで、従来のモバイルワークステーションの概念を覆す性能を実現している。
また、全モデルに搭載された16コアNeural Engineは、機械学習処理の高速化に大きく貢献する。これは、先日リリースされたmacOS Sequoia 15.1で導入されたApple Intelligence機能との相乗効果を生み出し、AIアシスト機能や画像認識処理において、よりスムーズで高精度な処理を可能にしている。
特筆すべきは、これらの高性能を維持しながら、電力効率も大幅に改善されている点だ。Appleの革新的な電力管理アーキテクチャにより、M4チップは必要な時にのみ最大性能を発揮し、通常使用時は効率的な電力消費を実現。これが、驚異の24時間バッテリー駆動を可能にしている要因となっている。
Nano-textureディスプレイの採用と進化したビデオ機能
ディスプレイ技術においても、新MacBook Proは大きな進化を遂げた。新たに追加されたNano-textureディスプレイオプションは、反射を最小限に抑え、あらゆる照明環境下で快適な視認性を実現。SDRコンテンツでは最大1,000ニト、HDRコンテンツでは最大1,600ニトという圧倒的な輝度を実現し、より豊かな色彩と深いコントラストを表現可能になった。
ビデオ会議の需要増加に応え、新たに12メガピクセルのセンターフレームカメラを全モデルに標準搭載。AIによる自動追尾機能により、ユーザーの動きに合わせてフレームが自動調整され、より自然なコミュニケーションを可能にしている。
Thunderbolt 5にアップデートされた接続性と驚異のバッテリー駆動時間
M4 ProとM4 Maxモデルに採用されたThunderbolt 5は、従来の40Gbpsから120Gbpsへと転送速度を大幅に向上。特にM4 Maxモデルでは、最大4台の外部ディスプレイに同時出力が可能となり、3台の6K/60Hzディスプレイと1台の4K/144Hzディスプレイ、または1台の8K/60Hzディスプレイと2台の6K/60Hzディスプレイという、これまでにない柔軟なマルチディスプレイ環境を実現している。
さらに、電力効率の改善により、16インチM4 ProモデルとM4モデルでは、驚異の24時間バッテリー駆動を達成。これは、文字通り「終日」使用可能なノートPCの登場を意味している。
新型MacBook Proは本日より予約受付を開始し、11月8日より出荷が開始される。
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