自動車業界に激震が走っている。日本を代表する自動車メーカーであるホンダと日産自動車が経営統合に向けた協議を開始することが日本経済新聞の取材により明らかになった。両社は持株会社方式での経営統合を視野に入れており、近く覚書を締結する見通しである。この動きは、Teslaや中国メーカーが主導権を握る電気自動車(EV)市場での競争力強化を企図したものとみられる。
統合協議の概要と株式市場の反応
日本経済新聞の報道によると、両社は傘下に両社が入る持株会社の設立を軸に協議を進めているとのことだ。さらに、将来的には日産が24%の株式を保有する三菱自動車の統合も視野に入れているという。この報道を受け、市場は大きく反応し、日産の米国預託証券(ADR)は一時17%上昇、ホンダのADRも3.6%高を記録した。
なお、この報道に対してホンダは「当社からリリースしたものではない」としながらも、「本年3月に発表の通り、日産との間で、それぞれの強みを活かした将来的な協業の可能性について様々な検討を行っている」とコメントしている。
統合の背景にある産業構造の変化
この統合構想は、自動車産業が直面する構造的な課題への対応策として浮上した。特に、EVシフトの加速化とTeslaおよび中国メーカーの急速な台頭が、日本メーカーに戦略の見直しを迫っている。両社は昨年8月、次世代車「ソフトウエア・デファインド・ビークル(SDV)」など5つの分野での協業に合意しており、今回の統合協議はその延長線上に位置づけられる。
もし実現すれば、この統合は2021年1月のFiat・ChryslerとPSAグループの統合によるSTELLANTIS誕生以来、自動車業界最大の再編となる。
Source
- 日本経済新聞:ホンダ・日産が統合へ 持ち株会社設立、三菱自の合流視野
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