QualcommのフラッグシップSoC(System-on-Chip)であるSnapdragon 8 Eliteについては、既にそのグラフィック性能がAppleの最新チップすらも上回る結果が報告されているが、今回、PC向けAAA級タイトル『Red Dead Redemption 2』をエミュレーターを通じて動作させるだけのパワーを持っている事が明らかになった。
驚異的な実行性能の実態
中国の動画プラットフォームBilibiliに投稿された映像により、Snapdragon 8 Eliteの実力が明らかになった。動画では、Winlatorエミュレーターを使用して『Red Dead Redemption 2』を実行しており、安定した動作を実現している。
注目すべきは、2018年に発売されたこのAAA級タイトルが、モバイルチップセットで実用的なフレームレートを維持できている点である。動画投稿者の報告によると、低グラフィック設定ながらも、ゲームプレイに支障のない性能を発揮している。
モバイルチップの性能進化を示す実績
Snapdragon 8 Eliteの性能は、他のゲームタイトルでも実証されている。特筆すべき実績として:
- 初代『Red Dead Redemption』で160FPSを達成
- 『Cyberpunk 2077』を低設定ながら60FPSで動作
- 『A Plague Tale: Innocence』で60FPS超えを実現
といった結果が報告されている。
業界専門家の分析によると、Snapdragon 8 EliteのAdreno GPUは、AMDのRadeon 780M(携帯ゲーム機向けRyzen Z1 Extremeに搭載)を上回る可能性すらあるとされている。これは、モバイルグラフィックスの性能が従来のPCグレードに急速に接近していることを示すものだ。
技術的課題と将来展望
しかし、この成果にはいくつかの重要な留意点がある。現状ではエミュレーターを介した動作であり、ネイティブアプリケーションと比較すると一定のパフォーマンス低下は避けられない。また、グラフィック設定を下げる必要があるという制約も存在する。
一方で、デベロッパーがこの性能を活かしたネイティブポートを開発すれば、さらなる性能向上が期待できる。現状ではエミュレーターの存在がネイティブ開発のモチベーションを下げている可能性も指摘されているが、このハードウェアの潜在能力は明らかに高い。
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