Microsoftは、OpenAIの高度推論AIモデル「o1」をCopilotユーザー向けに無料開放した。従来ChatGPT Plusで月額$20(約3,000円)必要だった機能が、Windows Copilotの「Think Deeper」機能経由で完全無料化。AI業界の価格破壊が加速する新展開だ。
月額$20相当のAI機能が完全無料化
MicrosoftのAI部門責任者Mustafa Suleyman氏がLinkedInで発表した新機能「Think Deeper」は、OpenAIが2024年12月に正式にリリースした最新推論モデルo1を基盤とする。同モデルは複雑な論理推論やコード生成が可能で、OpenAI側ではChatGPT Pro(月額$200)とPlus(月額$20・制限付き)でのみ提供されていた。
新機能はCopilotアプリまたはWeb版で利用可能。質問入力前に「Think Deeper」スイッチをONにするだけで、30秒程度の処理時間をかけて段階的な分析結果を生成する。
AI普及へ向けたMicrosoftの戦略的布石
今回の無料開放はMicrosoftの「AI普及加速戦略」の一環だ。同社は2024年10月にCopilot Labsで機能プレビューを開始し、Copilot Pro(月額$20)加入者向けに試験提供していた。一般ユーザー向け完全無料化により、以下の市場影響が予測される:
- 高額AIサービスの価格競争激化(ChatGPT Proの価格妥当性への疑問)
- Windows OSの付加価値向上(Copilot PWAアプリ経由でのシームレス統合)
- 開発者層の囲い込み(無料コード生成ツールとしての活用促進)
ただし情報鮮度は2023年10月時点で固定されており、リアルタイム検索機能は搭載されていない点に注意が必要だ。
Suleyman氏は「数千万人のユーザー全員がこの機会を得られることを心から嬉しく思っています。現在、さらに多くの計画が進行中で、皆さんにお伝えするのが待ちきれません」と、Copilotへの今後の新機能追加を予告している。
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