LPDDR5は2019年2月に公開され、既に5年が経つ。俗にドッグイヤーと呼ばれるテクノロジー業界で5年の歳月が経過することは陳腐化を意味し、SamsungのLPDDR5XやSK hynixのLPDDR5Tと言った、独自の中間アップデートも提供されているが、根本的な刷新を求める声も大きい。
JEDCEはまもなく次世代のメモリ規格「DDR6」や、低消費電力メモリ規格「LPDDR6」を最終決定するようで、その初期の情報が既に入手可能なようだ。
LPDDR6は最大14.4Gbpsへ
LPDDR6メモリに期待されることとして、Synopsysは最大14.4Gbpsのデータ・レートをこの規格の最高データ・レートとし、10.667Gbpsの導入レートを挙げている。
参考までに、これまでの規格の転送速度は以下の通りだ。
- LPDDR4: 3.200 Gbps
- LPDDR5: 6.400 Gbps
- LPDDR5X: 8.533 Gbps
- LPDDR5T: 9.600 Gbps(現在LPDDR5X仕様の一部)
- LPDDR6: 10.667 Gbps – 14.400 Gbps
LPDDR6はまた、2つの12ビット・サブチャネルで構成される24ビット幅チャネルを使用し、導入時の帯域幅は最大28GB/秒、最速の14.4Gbpsダイを使用した場合は最大38.4GB/秒となる。
DDR6は21Gbpsを実現か
DDR6はさらに21Gbpsまで拡張されると予想されている。これは非常に広帯域であり、PAM信号規格を超えるNRZ信号規格も言及されているが、どちらの信号規格が採用されるのかは決定していない。現在、最速のDDR5メモリDIMMは最大9000MT/sのRAM速度を達成することができ、11000MT/sを超えるオーバークロックが確認されているが、DDR6メモリはオーバークロックの必要さえなく10000MT/sの壁を簡単に突破し、OCで20000MT/sを超える可能性もある。
DDR6のデータ転送速度は8.8Gbpsから始まり、17.6Gbpsまで上昇するとしており、DDR5と比べて大幅に向上することが示されている。
- DDR4: 1.600 – 3.200 Gbps
- DDR5: 4.000 – 8.400 Gbps
- DDR6: 8.800 – 17.600 (21,000) Gbps
DDR6メモリの初期草案が今年中に策定され、v1.0仕様が2025年第2四半期までにリリースされる見込みだ。
CAMM2にDDR6、LPDDR6が登場へ
加えて興味深いのは、CAMM2への言及だ。JEDECは次世代のCAMM2において、DDR6及びLPDDR6に対応する事も明らかにしている。これにより現在のDDR5から更なる高速転送への飛躍が望める事に加え、CAMM2の“ネジ止めする必要がある”と言う若干不便な仕様についても改め、より導入がしやすくなるようだ。
加えて、デスクトップおよびサーバーPC向けの将来のデュアルチャネルCAMM2メモリ導入による利点も紹介されている。現在2枚のUDIMMが垂直に設置されたり、SODIMMが水平に設置されているが、CAMM2では水平に設置され、更に1枚に置き換えられることで設置スペース自体も節約できる。
CAMM2は、はんだ付けコネクタの必要性をなくし、トポロジーを完全にモジュール上に移し、デスクトップPCプラットフォームで最大限の性能と最大限の容量を可能にするように設定されているようだ。
Sources
- JEDEC: The CAMM2 Journey and Future Potential [PDF]
- Darkmont
- via VideoCardz: Next-Gen LPDDR6 memory to hit up to 14.4 Gbps data rate, DDR6 up to 17.6 Gbps
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