GoogleのPixel 9と思われるデバイスのGeekbench 6のベンチマークテストの結果が登場したが、前モデルにすら劣るその結果は、恐らく最適化が行われておらず、その本来の性能を発揮していない全く参考にはならない物だったが、同じくGeekbench Browserに登場した「Google Pixel 9 Pro XL」と言う名のデバイスは、搭載したTensor G4チップが実際に予想される性能をしっかりと発揮したであろうスコアを見せている。
Tensor G3から着実な性能向上、AI処理のため大容量RAMを搭載
今回登場した「Google Pixel 9 Pro XL」は、次期Pixel 9シリーズ・ラインナップの最上位機種となる物だ。噂では、Pixel 9はこれまでの標準とProと言う2つのラインナップから、標準の「Pixel 9」、高性能版「Pixel 9 Pro」、そして、高性能で大画面の「Pixel 9 Pro XL」が登場するとされている。このどれもが同じGoogleの「Tensor G4」チップを搭載すると見られている。
今回Geekbench Broswerに登場した「Google Pixel 9 Pro XL」の結果は、そうした意味で「Tensor G4」チップの性能を推測するのに役立つだろう。ただし、SKU毎に放熱性能やRAM構成などが異なるため、スコアに多少差が出ることは否めないため、注意は必要だ。
では、早速結果だが、Pixel 9 Pro XLとそのTensor G4のシングルコア・スコアは1950ポイント、マルチコア・スコアは4655ポイントと、先日のPixel 9の早期のリークから大幅なスコアアップだ。
Pixel 8 Pro(Tensor G3)の結果(シングルコア・スコア1700前後、マルチコア・スコア4300前後)と比較すると、シングルコアでは14%、マルチコア・スコアで10%前後の性能向上が期待出来そうだ。
他社のフラッグシップチップには及ばず、Tensor G5での大きな飛躍を期待か
とは言え、あくまでも“Pixelの前モデルと比較して”優れているに過ぎず、QualcommのSnapdragon 8 Gen 3は言うに及ばず、前モデルのSnapdragon 8 Gen 2(シングルコア・スコア1950前後、マルチコアスコア5,000前後)と並ぶか、場合によってはそれよりも劣る結果となっている。これはGoogle Pixelの伝統とも言える結果だ。
だが、GoogleのTensorチップはずっとこの傾向が続いていたが、2025年登場のTensor G5ではこの状況が変わるかも知れない。Tensor G5は、Googleの完全独自設計に生まれ変わり、製造もこれまでのSamsungからTSMCに移行して大きな性能アップを果たすと噂されている。そういった意味で、2024年のPixel 9は小幅な性能向上に留まりそうだ。
その他、今回のベンチマークテストから明らかになったことは、Pixel 9 Pro XLのTensor G4もPixel 9と同じように3.1 GHz のプライムコアが 1 つ、2.6 GHz のパフォーマンスコアが 3 つ、1.95 GHz の省電力コアが4つ搭載されていることだ。だが大きな差として、メモリはPixel 9の2倍となる、16GBもの大容量RAMを搭載している事が見て取れる。生成AIは一般的に多くのメモリを消費すると言われており、今後オンデバイスAI処理を進めていく上で、大容量のRAMは大きな助けとなる事だろう。
Tensor (Gen 1) | Tensor G2 | Tensor G3 | Tensor G4 | |
---|---|---|---|---|
プライムコア | Cortex-X1 (2.8 GHz) x2 | Cortex-X1 (2.85 GHz) x2 | Cortex-X3 (2.91 GHz) x1 | Cortex-X4 (3.1 GHz) x1 |
パフォーマンスコア | Cortex-A76 (2.25 GHz) x2 | Cortex-A78 (2.35 GHz) x2 | Cortex-A715 (2.37 GHz) x4 | Cortex-A720 (2.6 GHz) x3 |
高効率コア | Cortex-A55 (1.8 GHz) x4 | Cortex-A55 (1.8 GHz) x4 | Cortex-A510 (1.7 GHz) x4 | Cortex-A520 (1.95 GHz) x4 |
Sources
- Geekbench Browser: Google Pixel 9 Pro XL
- via Quadrans Muralis
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