GitHubの競合であるGitLabが買収先を探っている可能性がReutersによって報じられた。複数の情報筋によると、GitLabは既に投資銀行と協力して売却プロセスを進めており、現時点で複数の企業から関心が寄せられているという。
MicrosoftによるGitHub買収以降収益性が低下
GitLabはクラウドベースのソフトウェア開発ツールを提供する企業で、GitHubの主要な競合相手だ。GitLabのプラットフォームは、開発、運用、セキュリティチームが単一のツールでソフトウェアを設計・管理できるようにしている。登録ユーザー数は3,000万人を超え、Fortune100の半数以上が導入しているが、MicrosoftによるGitHubの買収以降、価格設定で課題に直面していると認めており、実際に収益面での課題に直面している。顧客の支出削減懸念から株価が年初来16%下落しており、S&P 500アプリケーションソフトウェア指数の3%上昇を下回っている状況だ。2011年のNASDAQ上場時は110億ドルだった時価総額は、現在約80億ドルにまで低下している。
Reutersの報道によると、クラウド監視企業のDatadogが買収に興味を示しているとされる。しかし、両社とも現時点でコメントを控えている。
この報道を受け、GitLabの株価は一時11.5%上昇し、その後7%高で取引を終えた。アナリストの間では、GitLabが長らく魅力的な買収候補と見なされてきたという見方がある。Needhamのアナリスト、Mike Cikos氏は「GitLabとDatadogの潜在的な提携について前向きに捉えている」とコメントしている。
背景には、AIとクラウドコンピューティングの進歩に伴い、テクノロジー企業が自社のサービスを拡大しようとする動きがある。2024年上半期のM&A(合併・買収)においても、テクノロジー部門が最大のシェアを占め、前年同期比42%増の3,272億ドルに達している。
興味深いのは、Google の親会社であるAlphabetが、ベンチャー キャピタル部門CapitalGを通じてGitLabの株式22.2%を保有している点だ。DatadogがGitLabの買収に失敗した場合、ライバルのGitHubをMicrosoftが所有しているため、Alphabetが買収に乗り出す可能性もある。
GitLabのCEO兼共同創設者であるSid Sijbrandij氏は、骨肉腫の治療を2度目に受けることを明らかにしたが、職務を継続する意向を示している。
買収が実現すれば、DatadogはGitLabの顧客基盤を活用して新たな市場に進出し、クロスセリングの機会を得ることができる。ただし、Reutersの情報筋は、合意までにはまだ数週間かかる可能性があり、最終的に売却しない選択肢もあると注意を促している。
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