AMDは、フレーム生成技術の次世代バージョンとなる「Fluid Motion Frames 2」(AFMF 2)を発表した。この新技術は、AIによる最適化や性能向上、低遅延フレーム生成などの特徴を持ち、RDNA 2およびRDNA 3 GPUに対応している。AFMF 2は、ゲーマーにとってより滑らかで高品質なゲームプレイ体験を提供することを目指しており、現在テクニカルプレビューとして利用可能となっている。
AFMF 2によってAMD GPUのゲーム体験に多くの改善がもたらされる
AFMF 2の最も注目すべき特徴は、大幅な遅延低減だ。AMDの実験によると、前バージョンと比較して最大28%の遅延低減を実現しているという。具体的には、Radeon RX 7900 XTXを搭載したシステムで『Cyberpunk 2077』を4K レイトレーシング ウルトラで動作させた場合、28%の遅延低減が確認された。さらに、Ryzen 7 8700GのRadeon 780M統合グラフィックスを使用した場合、『Counter-Strike 2』で最大12%の遅延低減が報告されている。これらの改善により、特に高解像度や高負荷のゲーミング環境において、よりレスポンシブな体験が可能となる。
AIによる最適化も、AFMF 2の重要な進化点の一つである。新たに開発されたAIアルゴリズムにより、フレーム生成の滑らかさが向上している。特に高速動作シーンでのフレーム生成の一時的な無効化(フォールバック)を改善し、画質と滑らかさを維持しつつ、不要なジッターを低減することに成功している。これにより、激しい動きのあるゲームシーンでも、より自然で違和感のない映像表現が可能となった。
AFMF 2では、ユーザーのニーズに合わせて最適化できる新しい動作モードも導入された。「Search Mode」と呼ばれる新設定は、フレーム生成の滑らかさを細かく制御することができる。1080p用の「Standard」モードと、1440p以上の高解像度用に設計された「High」モードが用意されており、それぞれの解像度に最適化されたフレーム生成を行う。また、「Performance Mode」は低スペックデバイスでのパフォーマンス向上を目的とした設定で、AFMF 2のオーバーヘッドを削減し、より広範囲のデバイスで高フレームレートを実現することができる。
互換性の面では、新たにボーダーレスフルスクリーンモードをサポートし、RX 7000およびRadeon 700M GPUシリーズで利用可能となった。これにより、ゲームプレイ中に素早く他のアプリケーションにアクセスしたいユーザーにとって、より柔軟な環境が提供される。さらに、VulkanおよびOpenGLタイトルのサポートも追加され、対応ゲームの幅が大きく広がった。
AFMF 2は、AMDの現行のRadeon RX 7000および6000シリーズのデスクトップGPU、さらに特定のモバイルGPUシリーズにも対応している。これにより、幅広いユーザーが新技術の恩恵を受けることができる。また、Radeon Chillとの相互運用性も実現し、フレームレートの上限を設定することで、画質を優先しつつ画面のティアリングを防止することが可能となった。
AMDは、AFMF 2をHYPR-RXの一部として統合し、継続的な改良を約束している。ゲーマーからのフィードバックを積極的に求めており、今後さらなる最適化や機能追加が期待される。
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