Googleが本日発表した最新折りたたみスマートフォン「Pixel 9 Pro Fold」は、大方の予想以上の出来映えのようだ。初代モデルの課題を克服し、より洗練されたデザインと先進的な機能を兼ね備えたPixel 9 Pro Foldは、折りたたみスマートフォン市場でGoogleの存在感を高めるだけでなく、ユーザー体験の新たな基準を設定する可能性を秘めた物になりそうだ。
薄型で耐久性に優れたデザインと大型ディスプレイ、新たなTensor G4を搭載
Pixel 9 Pro Foldの最も顕著な特徴は、その革新的なディスプレイデザインにある。外部ディスプレイは6.3インチのOLEDパネルを採用し、60Hzから120Hzの可変リフレッシュレートを実現している。このディスプレイは1,080 x 2,424の解像度を持ち、アスペクト比20:9を採用することで、従来のスマートフォンに近い使用感を提供する。一方、内部ディスプレイは8インチの折りたたみ式パネルを搭載し、2,076 x 2,152の解像度とLTPO技術による1Hzから120Hzの可変リフレッシュレートを実現している。これらのディスプレイは、HDRコンテンツ視聴時にそれぞれ1,800ニトと1,600ニトの輝度を達成し、ピーク時には驚異の2,700ニトまで輝度を上げることができる。この高輝度ディスプレイにより、屋外での視認性が大幅に向上している。
デバイスの物理的な設計も大きく改善されている。Pixel 9 Pro Foldは、折りたたんだ状態で10.5mm、展開時には5.1mmという薄さを実現し、米国市場で最も薄い折りたたみスマートフォンとなっている。重量も257グラムまで軽量化され、前モデルから約9%の軽量化に成功している。新しく設計された流体摩擦ヒンジは、デバイスを完全に平らに開くことを可能にし、使用時の満足感を高めている。
耐久性の面では、Corning® Gorilla® Glass Victus® 2を外部ディスプレイと背面カバーに採用し、内部ディスプレイには超薄型ガラスを使用している。さらに、IPX8規格の防水性能を備えており、最大1.5メートルの深さで30分間の耐水性を実現している。ただし、防塵性能に関する明確な記述はないため、砂浜やキャンプ場での使用には注意が必要だ。
性能面では、Googleの最新プロセッサーであるTensor G4を搭載し、16GBのRAMと組み合わせることで、AIタスクやマルチタスクのパフォーマンス向上を実現している。ストレージオプションは256GBと512GBの2種類が用意されている。
カメラシステムは、48MPのメインセンサー(f/1.7、1/2インチセンサー、82度FOV)、10.5MPの超広角レンズ(f/2.2、1/3.4インチセンサー、127度FOV、マクロモード対応)、10.8MPの5倍光学ズームテレフォトレンズ(f/3.1、1/3.2インチセンサー、23度FOV)を組み合わせたトリプルカメラを採用している。また、内部と外部の両方に10MPの自撮りカメラ(f/2.2、87度FOV)を搭載し、顔認証機能にも対応している。
ソフトウェア面では、Android 14を搭載し、7年間のOSアップデートとセキュリティパッチの提供を約束している。Googleの最新AI機能も多数搭載されており、Pixel Screenshot、通話の録音と要約、Pixel Studioなどの機能が利用可能だ。さらに、折りたたみスマートフォン特有の機能として、アプリペアやドックの常時表示モードなども実装されている。
バッテリー容量は4,650mAhと、前モデルよりもやや小さくなっているが、Tensor G4チップの効率化により、バッテリー持続時間の向上が期待される。充電速度は21Wの有線充電と7.5Wのワイヤレス充電に対応している。
Pixel 9 Pro Foldの価格についてだが、256GBモデルが257,500円、512GBモデルが277,500円という価格設定は、前モデルと同等であり、スペックアップを考慮すると競争力のある価格と言える。ただし、スマートフォンとしては最も高価な部類に入ることもまた確かだ。カラーバリエーションはObsidianとPorcelainの2色展開となっている。
発売日は2024年9月4日に設定されており、すでに予約受付が開始されている。今回のモデルでは販売地域が大幅に拡大され、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋地域の19カ国で発売される予定だ。
Pixel 9 Pro Foldは、折りたたみスマートフォン市場での競争が激化する中、Googleが本気で挑む意欲作と言える。Samsung、OnePlus、HONORなどの競合他社との差別化を図りつつ、ユーザーにとって魅力的な製品となるかどうか、今後の市場での反応が注目される。特に、大画面と薄型軽量化の両立、強化されたAI機能、改良されたカメラシステムなどが、ユーザーにどのように評価されるかが鍵となるだろう。
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