Googleが次期バージョンのAndroid 16で、ユーザーインターフェースの重要な部分であるクイック設定と通知パネルを大幅に刷新する計画であることが明らかになった。この新デザインでは、現行のAndroid 15までとは異なり、クイック設定へのアクセス方法が変更され、2本指でのスワイプ操作が必要になる可能性があるようだ。
Android 16で変わるクイック設定の新デザイン
現行のAndroid 15までのデザインでは、ステータスバーを1回下にスワイプすると、最初の4つのクイック設定タイルと通知パネル全体が表示される。さらに下にスワイプすると、クイック設定パネル全体と一部の通知が表示されるという仕組みだった。
しかし、Android 16では、この統合されたパネルが分離される可能性が高い。新デザインでは、ステータスバーを1回下にスワイプしてもクイック設定タイルは表示されず、画面の約4分の1を占める通知パネルのみが表示されるようになる。さらに、このパネルの下には、現在使用中のアプリが透けて見えるようになる予定だ。
最も大きな変更点は、クイック設定パネルへのアクセス方法だ。新デザインでは、クイック設定パネルを表示するために、ステータスバーを2本指で下にスワイプする必要がある。この変更は、ユーザーに追加の操作を要求することになるため、議論を呼ぶ可能性がある。一方で、この新しいアプローチにより、通知とクイック設定の表示スペースを最大化できるというメリットもある。
新デザインの詳細と今後の展望
新しいクイック設定パネルでは、複数のページを左右にスワイプして切り替えられるようになる。各ページには、より多くのタイルを表示できるよう、タイルのサイズが小さくなっている。これにより、1ページあたり12〜16個のクイック設定タイルを表示できるようになり、密度が大幅に向上する。この変更は、ユーザーがより多くの設定にすばやくアクセスできるようにすることを目的としている。
画面上部には、テキストラベルと明るさレベルを表示する新しい明るさ調整バーが配置される。この設計は、Android 15で導入された新しいボリュームスライダーと類似しており、ユーザーインターフェースの一貫性を高めている。これにより、ユーザーは直感的に画面の明るさを調整できるようになる。
しかし、この新デザインはまだ開発途中であり、多くの要素が未完成の状態だ。例えば、ユーザー切り替え、電源メニュー、フォアグラウンドサービスタスクマネージャーなどの機能が現時点では欠落している。また、ライトモードのサポートも不完全で、白いテキストが見にくいなどの問題がある。これらの問題は、Android 16の正式リリースまでに解決される可能性が高い。
Googleは、SystemUIの安定性を向上させるため、「Flexiglass」と呼ばれる内部コードネームのプロジェクトで、各主要コンポーネントを「シーン」と呼ばれる独立したエクスペリエンスに分割する作業を進めている。この取り組みは、AndroidのUIをより柔軟かつ安定したものにすることを目指している。
この新デザインが最終的にAndroid 16に採用されるかどうかは不明だが、Googleが通知とクイック設定パネルの大規模な改革に取り組んでいることは明らかだ。だが、ユーザーの中には、クイック設定パネルへのアクセスに2本指スワイプが必要になることに対する不満の声も出ることが想定される。この変更がユーザー体験にどのような影響を与えるかは、実際のリリースを待って評価する必要がある。
一方で、このデザイン変更は、HyperOSやXiaomiなど、他のAndroidフォークですでに採用されている分離型デザインに近づくものだ。Xiaomiによると、ユーザーの大多数がこのような分離型のデザインを好むという。しかし、すべてのユーザーがこの変更を歓迎するわけではなく、Samsungや OPPOが同様の設計を採用するという噂に対しては、オンライン上で反発の声も上がっている。
Android 16の正式リリースまでにはまだ時間があるため、Googleはユーザーフィードバックを基に設計を微調整する可能性がある。最終的な設計がどのようなものになるかは、今後の開発状況を注視する必要があるだろう。
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