2024年7月の世界半導体市場が大幅な成長を遂げた。Semiconductor Industry Association(SIA)が発表した最新の統計によると、2024年7月の世界半導体売上高は前年同月比18.7%増の513億ドルに達したことが明らかになった。この数字は、世界半導体貿易統計(WSTS)機関がまとめたデータに基づいている。
2024年6月の合計500億ドルと比較しても2.7%の増加を記録し、4か月連続で成長を続けている。SIAのJohn Neuffer会長兼CEOは、「世界の半導体市場は7月も年間ベースで大幅な成長を続け、月間売上高も4か月連続で増加した」とコメントしている。
各国の政策が成長率に影響を与えていることが如実に現れる結果に
7月の半導体市場は地域によって大きな差が見られた。最も顕著な成長を示したのは米州市場で、前年比40.1%という驚異的な伸びを記録した。
中国市場も好調で、19.5%の成長を達成。アジア太平洋/その他の地域も16.7%の成長を遂げた。一方で、日本市場は0.8%のわずかな減少、欧州市場は12.0%の減少と、地域によって明暗が分かれる結果となった。
この成長の背景には、各国政府による半導体産業への積極的な投資が挙げられる。特に米国では、CHIPS法に基づき300億ドル以上の資金が半導体産業に投じられている。GlobalFoundries、Intel、TSMC、Samsung Electronics、Micron、GlobalWafers、SK hynixなどの大手企業がこの支援を受けている。
欧州連合(EU)も半導体産業の強化に乗り出している。2023年4月に承認されたEU Chips Actでは、430億ユーロの資金が確保された。EUは2030年までに世界の半導体市場シェアを現在の10%から少なくとも20%に引き上げることを目標としている。
米国のCHIPS法や欧州のEU Chips Actに見られるように、半導体産業は国家戦略の重要な一部となっている。これらの支援策は、単に国内の半導体生産能力を高めるだけでなく、グローバルなサプライチェーンの強靭化や技術革新の促進を目指している。
日本や中国などのアジア諸国も、半導体産業の育成に力を入れている。特に中国は、国内の半導体産業の発展を重要な国家戦略と位置付け、大規模な投資を行っている。
このような各国・地域の取り組みが、世界の半導体市場の成長を後押ししている。今後も、5G、AI、IoTなどの新技術の普及に伴い、半導体需要は拡大し続けると予測されている。世界各国の支援策と相まって、半導体産業の成長は当面続くものと見られる。
Source
- Semiconductor Industry Association: Global Semiconductor Sales Increase 18.7% Year-to-Year in July
コメント