任天堂が2025年3月末までの発表を予告しているNintendo Switch後継機(通称:Nintendo Switch 2)について、アクセサリーメーカーのGenkiがCES 2025において、実機を基に制作したとされるダミーユニットを展示し、注目を集めている。同社は4月の発売を示唆しており、新型ゲーム機の詳細が徐々に明らかになってきた。
大型化するNintendo Switch 2の実態
アクセサリーメーカーGenkiが公開したダミーユニットからは、現行のNintendo Switchと比較して長さ、幅ともに明らかに大型化している事が見て取れる。フランスのテクノロジーメディアNumeramaによると、このモックアップは「3Dブループリント」ではなく、実際のNintendo Switch 2実機を基に制作されたと同社は主張しているようだ。
ハードウェアの特徴として注目すべきは、本体上部に追加されたUSB-Cポートの存在だ。これにより、現行モデルと比較して接続性が向上する可能性がある。また、右Joy-Conの下部には新たに「Cボタン」が実装されているが、その具体的な機能については現時点で明らかにされていない。
ドイツのメディアNeztweltの報道によると、ディスプレイサイズは「8インチ以上」になると見られとのことだ。これは、Lenovoが展開するWindows搭載ゲーミングハンドヘルドLegion Goと同等のサイズ感となる。現行モデルの液晶版が6.2インチ、有機EL版が7インチであることを考慮すると、Nintendo Switch 2では大幅な画面拡大が実現されることになる。
コントローラーの接続方式については、当初懸念されていた磁気による取り付けは採用されないとNeztweltは報じている。代わりに、現行モデルと同様にメカニカルな接続機構によってJoy-Conを本体に固定する仕組みが実装される見込みだ。これは、ゲームプレイ中の安定性や耐久性を考慮した設計判断と考えられる。
携帯ゲーム機としては大型の部類に入るサイズ感となるものの、任天堂が培ってきた携帯性と据置性を兼ね備えたハイブリッドコンセプトは継承される見通しだ。実際、Genkiが公開した動画では、新型ドックへの出し入れが可能な様子も確認されている。ドックには従来のNintendo Switchロゴに加えて、大きな「2」の数字が刻印されていることも明らかになった。
新機構が採用される新型Joy-Con
また、Genkiが自社Webサイトで公開した動画では、Nintendo Switch 2のJoy-Conが現行モデルから大幅な設計変更が施されること も示唆されている。最も顕著な変更点は、コントローラーの着脱機構だ。現行モデルで採用されている上から下への垂直方向のスライド式から、横方向へのスナップオン方式へと刷新される。この新機構により、より直感的な装着が可能になると見られている。
Joy-Conの取り外しにおいても新たな機構が採用される。コントローラー背面に配置された専用レバーと、内側上部に実装された伸縮可能な突起が連動して動作する仕組みだ。この新機構により、現行モデルで指摘されていた取り外し時の操作性や耐久性の課題が改善される可能性がある。
さらに注目すべきは、Joy-Con内部に搭載された光学センサーの存在だ。Genkiの動画では、このセンサーからレーザーのような赤い光点が照射される様子が確認されている。この新機能について、業界からはマウスのようなポインティング機能の実装を示唆するものではないかとの見方が出ている。これが実現すれば、Nintendo Switch 2ではこれまでにない新しい操作体験が可能になるかもしれない。以下の動画はRedditのユーザーが現行のNintendo SwitchのJoy-Conでマウスのような操作が上手くいくのかを試している様子だが、意外と悪くないようだ。
If the speculation is true, it’s not bad at all
byu/RNOWONG inNintendoSwitch2
右Joy-Conには新たに「Cボタン」が追加実装されることも判明した。この新ボタンの詳細な機能については明らかにされていないものの、光学センサーと連動した新たな操作体系を実現するための重要な要素となる可能性がある。既に流出している他のJoy-Con画像とも設計上の特徴が一致しており、この情報の信頼性は比較的高いと考えられる。
このような大幅な設計変更は、任天堂が次世代機において、単なるハードウェア性能の向上だけでなく、プレイヤーとゲームの新たなインタラクションの形を模索していることを示唆している。光学センサーやCボタンといった新機能が、どのようなゲーム体験をもたらすのか、今後の続報が待たれる状況だ。
発売時期を巡る新たな展開
CES 2025に参加しているアクセサリーメーカー各社は、Nintendo Switch 2の発売時期について2025年4月を想定していると明かしている。この時期は、2017年3月に発売された初代Nintendo Switchの発売パターンとほぼ同時期であり、任天堂の戦略的な判断を反映している可能性がある。これは、2024年後半に報じられていた2025年6月発売説よりも2ヶ月前倒しの発売時期となる。
任天堂は2024年11月に後継機の互換性について言及したものの、それ以降は詳細な情報公開を控えている。しかし、同社は2025年3月末までに新型ゲーム機について発表を行うと明言している。この発表時期に関して、業界関係者からは2025年2月に詳細な発表が行われるのではないかとの見方が出ている。これは、初代Switchの発表から発売までのタイムラインと類似したスケジュールとなる。
一方で、アクセサリーメーカー各社は既に製品開発を本格化させている。Genkiは8種類のアクセサリーを準備していることを明らかにしており、4月の本体発売と同時に市場投入する計画だという。この動きは、他のアクセサリーメーカーにも広がっており、Numeramaの報道によれば、一部のメーカーは「資金さえ準備できれば、ブラックマーケットで実機を入手することも可能」と述べているという。ただし、この主張については、特にソフトウェアに関する情報が一切漏洩していない現状を考慮すると、慎重に受け止める必要がある。
発売時期に関連して注目されるのが、ローンチタイトルの展開だ。業界からは「マリオカート9」や新作3Dマリオ、「メトロイドプライム4:ビヨンド」、「ポケモンレジェンズ Z-A」といったタイトルの名前が挙がっているものの、どれが発売時期に間に合うかは不明な状況が続いている。特に「ポケモンレジェンズ Z-A」については、2024年末時点では2025年のホリデーシーズンでの発売が予想されている。
任天堂は現在も情報統制を継続しているものの、アクセサリーメーカー各社の動きは着実に活発化している。これは、開発キットの配布や仕様の共有が一定程度進んでいることを示唆しており、4月発売説の信憑性を間接的に裏付けている。ただし、最終的な発売時期については、半導体の供給状況や競合他社の動向など、様々な要因によって変動する可能性も残されている。
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