Googleの次期Android OSとなるAndroid 15では、Pixelスマートフォンのバッテリー寿命を延ばすための新機能が追加される可能性がありそうだ。これまでもバッテリー充電を最適化する「アダプティブ充電」は存在したが、新たな機能では、ユーザーがより細かく充電量を設定出来るオプションが追加され、更に能動的にバッテリーを長持ちさせることが出来る様になるかも知れない。
Android 15で既存のPixelスマートフォンでもバッテリー充電を手動で調整できる可能性
Android AuthorityによるAndroid 15 Beta 4の解析により、Googleが「充電最適化(Charging optimization)」と呼ばれる新機能をテストしていることが明らかになった。この機能は、設定アプリのバッテリーメニュー内に新しいオプションとして追加される予定だ。
充電最適化機能では、ユーザーは以下の2つのオプションから選択できるようになる:
- 既存の「アダプティブ充電」モード
- 新しい「80%に制限)」モード
「80%に制限」モードを選択すると、Pixelスマートフォンを充電した際に、バッテリー容量の80%に達した時点で自動で充電が停止されるようになる。これにより、バッテリーの健康状態を維持し、バッテリー自体の寿命を延ばすことが期待できる。
同様の機能は、iPhone 15、2024年発売のiPad ProやiPad Airでも導入されている物だ。これは、リチウムイオン電池の特性として、「フル充電と空の状態」が著しくバッテリーにダメージを与え、バッテリーの寿命そのものを短くするため、意図的に満充電を避けるために設定された機能となる。
現在のPixelスマートフォンには、ユーザーの睡眠パターンに基づいて充電速度を調整する「アダプティブ充電」機能が搭載されているが、手動で充電制限を設定する機能は欠けていた。新機能の追加により、Pixelユーザーはより柔軟にバッテリー管理を行えるようになる。
ただし、現時点では80%以外の充電制限オプション(85%や90%など)は提供されない見込みだ。これは、SamsungのスマートフォンやiPhoneで提供されている柔軟な充電制限設定とは異なるアプローチとなる。
新機能の導入時期については、Android 15の正式リリース時ではなく、その後のQuarterly Platform Release(QPR)アップデートで提供される可能性が高い。また、Pixel 9シリーズで先行導入された後、既存のPixelデバイスにも拡大される見込みだ。
この新機能は、特に長期間スマートフォンを使用する予定のユーザーや、常に電源に接続できる環境にいるユーザーにとって有益な物となる。バッテリーの寿命を延ばすことで、デバイスの長期的な運用が可能となり、結果的にスマートフォンの買い替えサイクルを延ばすことにもつながる可能性がある。(メーカーとしては余り望ましいことではないだろうが)
Googleの新しい充電最適化機能は、ユーザーがより主体的にデバイスのバッテリー管理を行えるようにするものだ。この機能が正式に導入されれば、Pixelユーザーのスマートフォン使用体験がさらに向上することが期待される。
Source
- Android Authority: Google may finally let you set a manual charge limit on Pixel phones
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