Appleは2025年3月6日、新たにM4チップを搭載したMacBook Airを発表した。13インチと15インチの2モデルが用意され、日本では164,800円から販売される。新たに12MPセンターフレームカメラの搭載やスカイブルーの新色追加など、基本性能の底上げが主なポイントとなっている。発売日は3月12日(水)で、予約は発表と同時に開始されている。
M4チップによる性能向上
新型MacBook Airに搭載されているM4チップは、10コアCPU(4つのパフォーマンスコアと6つの効率コア)、最大10コアGPU、16コアNeural Engineを備えている。メモリは標準で16GBとなり、最大32GBまで拡張可能だ。これは、MacBook Airシリーズとしては初めて32GBのRAMオプションが提供されることになる。

M4は昨年MacBook Pro、Mac Mini、iMacに搭載されたチップで、昨年MacBook Airに搭載されたM3の基本機能を維持しながら、2つの効率コアを追加してCPUコア数を8から10に増やしたものだ。ただし、GPUコア数には違いがあり、MacBook Proに搭載されている物は10コアGPUとなるが、新型M4 MacBook Airに搭載されている物はエントリーモデルは8コアGPUとなる。10コアGPUモデルを希望する場合は15,000円アップとなる点には注意が必要だ。
Appleの公式発表によれば、M4搭載のMacBook Airは過去のモデルと比較して以下のようなパフォーマンス向上を実現している:
- M1モデルと比べて最大2倍高速
- 最速のIntelベースのMacBook Airと比較して最大23倍高速
- Microsoft Excelでのスプレッドシート計算が、最速のIntelベースモデルより最大4.7倍、M1モデルより最大1.6倍高速
- iMovieでのビデオ編集が、最速のIntelベースモデルより最大8倍、M1モデルより最大2倍高速
- Adobe Photoshopでの写真編集が、最速のIntelベースモデルより最大3.6倍、M1モデルより最大2倍高速
また、Neural Engineの処理能力も向上しており、AI関連のタスクではM1搭載モデルと比較して最大3倍の速度で処理が可能になっている。38 TOPSのNPU性能を持つM4は、Intelの新しいCore Ultraシリーズや、QualcommのSnapdragon Xプロセッサーに対するAI PC競争において、他社に引けを取らないものとなるだろう。
バッテリー駆動時間については、M2やM3モデルと同様に最大18時間となっている。ただし、Intelベースのモデルからアップグレードするユーザーにとっては、最大6時間の延長となる。
新機能:カメラとディスプレイ対応の強化
新型MacBook Airの注目すべき新機能の一つが、12メガピクセルのセンターフレームカメラだ。このカメラは昨年iMacとMacBook Proに導入されたものと同様で、ユーザーが動き回っても自動的にフレームの中心に保つ機能を備えている。
また、デスクビューと言う、ユーザーの顔とデスクを上から見た映像を同時に捉えることができる機能も搭載されている。

ディスプレイ対応も強化され、内蔵ディスプレイに加えて最大2台の6K外部ディスプレイに同時接続できるようになった。全モデルのM3モデルはMacを閉じた状態(クラムシェルモード)でのみ、2台の外部ディスプレイを駆動できたが、新モデルでは内部ディスプレイを含めて3台のディスプレイを同時に使用できるようになった点は、ユーザーによってはかなり大きな変化となるだろう。

新色スカイブルーと変わらぬデザイン

新型MacBook Airのデザインは基本的に前モデルと同じだが、新たにスカイブルーという色が追加された。Appleの公式リリースによれば、「光が表面に反射するとダイナミックなグラデーションが生まれる、美しいメタリックな淡いブルーのスカイブルー」と説明されている。

他のカラーオプションとしては、ミッドナイト、スターライト、シルバーが引き続き提供される。なお、従来のスペースグレイは廃止されている。
また、すべてのカラーオプションには、ボディのカラーに合わせたMagSafe充電ケーブルが付属する。
Apple Intelligenceへの対応

新型MacBook AirはApple Intelligenceのために設計されている点も特徴だ。これは、Macをより便利でパワフルにする新機能のセットで、Image Playgroundによるビジュアル表現、ジェン文字による絵文字作成、作文ツールによる文章の強化などが含まれる。
また、作文ツールとSiriにはChatGPTが統合されており、ユーザーはアカウントを作成せずに無料でChatGPTにアクセスできる。プライバシー保護も強化されており、ユーザーのIPアドレスは匿名化され、OpenAIはリクエストを保存しない。
Appleの公式リリースによれば、「あらゆる段階でユーザーのプライバシーを保護するように設計されたApple Intelligenceは、デバイス上の処理を使用している」とされており、多くの生成モデルがデバイス上で実行される。より大規模なモデルが必要な場合は、プライベートクラウドコンピューティングがMacのプライバシーとセキュリティをクラウドにまで拡大する。
市場への影響と評価

新型MacBook Airは、前モデルからの大幅な設計変更はないものの、M4チップによる性能向上、RAMの増加、カメラ機能の強化、外部ディスプレイのサポート拡張など、使い勝手を大きく向上させる変更が加えられている。
特に、MacBook Airに32GBのRAMオプションが初めて追加されたことは、メモリを多く必要とするアプリケーションやマルチタスクを頻繁に行うユーザーにとって朗報となる。加えて、Apple Intelligenceのサポートにより、AIを活用した新機能も利用できるようになる。
新型MacBook Airは、M1モデルからのアップグレードを検討しているユーザーや、まだIntelベースのMacを使用しているユーザー、そして初めてMacを購入する検討者にとって、魅力的な選択肢となりそうだ。
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