Appleが、人気ワイヤレスイヤホン「AirPods Pro 2」に画期的な新機能を追加することを発表した。この新機能により、AirPods Pro 2が補聴器としても使用できるようになる。しかし、この機能の実装にはまだFDA(米国食品医薬品局)の承認が必要であり、Appleは「近々」承認が得られる見込みだとしている。
AppleがAirPods Pro 2に補聴器機能を追加
Appleは、AirPods Pro 2に「臨床グレード」の補聴器機能を追加すると発表した。この新機能は、軽度から中度の難聴を持つユーザーをターゲットとしている。補聴器機能が有効になると、AirPods Pro 2は環境音や会話などの特定の音を、リアルタイムで増幅することができるようになる。
この機能は、従来の補聴器と比較してより手軽に使用でき、コストも抑えられる可能性がある。Appleは、この新機能を通じて聴覚健康への取り組みを強化し、ユーザーに包括的な聴覚ケア体験を提供することを目指している。
ただし、この補聴器機能の実装には規制当局の承認が必要となる。Appleは現在、FDAをはじめとする各国の規制当局からの承認を待っている状態だ。承認が得られ次第、この機能は100以上の国と地域で利用可能になる予定である。
AirPods Pro 2の新機能の詳細
AirPods Pro 2に追加される新機能は、単なる補聴器機能にとどまらない。Appleは、ユーザーの聴覚健康を総合的にサポートする一連の機能を導入する予定だ。
臨床グレードの聴力テスト機能
新機能の一つとして、AirPods Pro 2を使用した臨床的に検証された聴力テストが可能になる。このテストは、純音聴力検査の一般的な臨床アプローチを使用し、わずか5分程度で完了する。ユーザーは、様々な周波数の音を聞き、画面上の指示に従ってiPhoneをタップするだけでテストを行うことができる。
テスト結果は、各耳の聴力損失を示す数値とオージオグラムとして、iPhoneのヘルスアップで確認できる。これにより、ユーザーは自身の聴力状態を把握し、必要に応じて医療専門家に相談することができる。
聴覚保護モードと環境音調整
AirPods Pro 2は、ユーザーの聴覚を保護する新機能も搭載する。H2チップを活用した新しい「聴覚保護」機能は、環境ノイズへの露出を最小限に抑え、リアルタイムで快適な聴覚体験を提供する。この機能は、すべての環境リスニングモードに適用され、ユーザーの耳の健康を積極的に保護する。
また、聴力テストの結果に基づいて生成された聴覚プロファイルを使用し、環境に応じてリアルタイムで音の調整を行う。これにより、ユーザーは周囲の音をより明瞭に聞き取ることができるようになる。
健康アプリとの連携
これらの新機能は、iPhoneのヘルスアプリと連携する。ユーザーは、聴力テストの結果や聴覚プロファイルをヘルスアプリで確認し、必要に応じて医療アドバイスを求める際に医師と共有することができる。
Appleは、これらの機能を2024年秋に無料のソフトウェアアップデートとしてリリースする予定だ。この更新により、AirPods Pro 2は単なるオーディオデバイスを超え、ユーザーの聴覚健康を総合的にサポートする革新的なデバイスへと進化することになる。
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