欧州連合 (EU) は2022年後半に デジタル市場法 (DMA) を完全に施行した。今日、EUの規制機関である 欧州委員会 (EC) は、Appleが、そのアプリストア「App Store」の定める“不当な”規則によりDMAに違反していると発表した。DMAに違反していると明確に指摘された企業としては、今回 のAppleが初となる。
世界売上の10%という前代未聞の巨額制裁金が科されるか
この結論は、ECが3月に Apple を含む複数の大手テクノロジー企業に対してDMAの規則違反の有無を調査する方針を発表したことを受けたものである。
今日、プレスリリースにおいて、ECはAppleのApp Store規則が開発者に iOS デバイス向けのアプリを入手する代替手段へ消費者を十分に誘導することを許可していないと発表している。具体的にECは以下のように述べている:
「開発者が利用可能なほとんどのビジネス条件下で、Apple はリンクアウトによる誘導のみを許可している。つまり、開発者はアプリ内に、顧客が契約を締結できるWebページにリダイレクトするリンクを含めることができる。このリンクアウトプロセスは、開発者が選択した流通チャネルを通じて、オファーを伝達、宣伝、契約を締結することを妨げる Apple が課す複数の制限の対象となっている」。
これはECによる予備的な決定であり、Appleは調査に関する機関の文書を確認し、App Storeのこれまでの行動に対する弁明を行うことができる。この予備的決定が支持された場合、Appleは世界全体の売上高の最大10%の罰金を科される可能性がある。
Appleにとっては更に悪いニュースだが、ECは、「Core Technology Fee」を含む、Appleの「サードパーティのアプリ開発者およびアプリストアに対する契約要件」についても別途調査を開始すると発表した。Appleは、アプリのインストールがApple自身のApp Store、代替アプリマーケットプレイス、または開発者自身のWebサイトのいずれから配信されるかにかかわらず、Core Technology Fee(コア技術料)を請求するとしている。これは、毎年最初の100万インストールは無料だが、それ以降は1インストールにつき0.50ユーロの手数料がかかるというものだ。
ECは、Core Technology FeeがDMAに準拠しているかどうかを調査すると述べた。この調査はまた、「AppleがiPhoneに代替アプリストアやアプリをダウンロード・インストールするために、複数のステップを踏んでユーザーを誘導していること」や、開発者がiPhoneで代替アプリストアの提供やWebからのアプリ配信を許可される前に課せられている資格要件についても調査する予定である。
この調査には、DMAが要求する代替配布方法の恩恵を受けるために、開発者がApple Developer Programの「優良会員」であることをAppleが要求していることも含まれている。同委員会はまた、“サイドロードされるアプリと代替アプリストアを検証するためにAppleが実施しているチェックとレビュー”についても調査していると述べている。
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