AppleはWWDCにおいて、Appleデバイスで更に多くのゲームを提供するための様々な取り組みを発表したが、その中で開発者がAppleシリコンデバイスへのゲームの移植を容易にするツール「Game Porting Toolkit 2」を発表した。WWDCの基調講演では深いところまでは紹介されなかったが、M4以降のAppleシリコンで対応すると見られる新たな機能の到来が指摘されている。
WindowsのAAAゲーム移植が更に進む可能性
Max TechのVadim Yuryev氏は、クリエイティブディレクターのANDRE ELIJAH氏のポストを引用し、Game Porting Toolkit 2によるAVX2命令セットのサポートを強調している。
AVX2(Advanced Vector Extensions 2)命令セットは、Intelが開発したSIMD(Single Instruction, Multiple Data)命令セット拡張であり、AVX(Advanced Vector Extensions)の改良版だ。これを利用する事で、一部のゲームはさらに快適に動作させることができる。
AppleはiPad Proから投入されたM4チップから、Armv9のAVX2サポートを初めて採用している。
M4チップは既にArmv9のSME(Scalable Matrix Extension)サポートも導入され、CPUパフォーマンスの向上に大きく寄与していると言われている。
この新たな命令セットのサポートにより、M4以降のAppleシリコンによって『Starfield』や『Alan Wake 2 』などの最新ゲームの移植が望めそうだ。
残念ながら、 Yuryev氏によると、このAVX2命令セットはM1、M2、M3チップセットではサポートされておらず、M4がAppleシリコンで初めてサポートする。M4はArmv9アーキテクチャを採用した初のApple製シリコンであり、より複雑なワークロードをより効率的に実行できるため、シングルコアとマルチコアのパフォーマンスが大きく向上している。
Sources
- Apple Developers: Game Porting Toolkit 2
- via Vadim Yuryev
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