先日、米国において前大統領時代に課せられ、その後中止されたマザーボードやグラフィックボードと言った特定のPCパーツに対する25%もの巨額の関税が復活する可能性について、当サイトを含め、いくつかのサイトで報じられたが、これについては誤報であり、少なくとも来年の中頃までは関税免除が維持されることが明らかとなった。
除外製品を見落としていた
PCMagによると、USTRの最新の決定について、再確認した結果、中国から輸入されるプリント基板(PCB)に対する関税免除が失効し、25%の関税が復活するとの懸念があったが、延長されることが判明した。2018年の関税はPCサプライチェーンに大きな影響を与え、一部の製品は値上げを余儀なくされた。だが、この関税についても少なくとも2025年5月31日まで免除は延期されるようだ。
PCMagは当初、当局が関税を維持する意向を報じたが、PCBに対する免除を1年間延長する公式発表の一部を見逃していたようだ。
誤解の原因は、関税措置に関する連邦通知の難解さにあったという。通知には、グラフィックボード、マザーボード、またはPCデスクトップケースについて具体的に言及されておらず、こうした製品を「プリント基板アセンブリ」と自動データ処理装置の部品およびアクセサリとして定義する関税コード8473.30.1180および8473.30.5100を使用して分類している。
だが、8473.30.1180および8473.30.5100の両方は、中国からの輸入製品の広い範囲に適用される物であり、この下に属する特定の輸入品に対して1年間の除外が設けられているという。これを見逃したのだ。
報道の後、USTRの広報担当者は「あなたが参照した2つの関税コードは現在301条関税の対象ですが、これらのコードの下には除外の利益を受ける特定の製品があります。すべての10桁のコードの製品が対象ではありません」と明確にした。
1974年貿易法の第301(b)、301(c)、および307(a)条に基づき、改正された1974年貿易法の規定に従い、2025年5月31日までにこの通知の附属書Cに記載された除外を延長する措置をさらに修正することを、アメリカ合衆国通商代表部が決定した。アメリカ合衆国通商代表部は、これらの除外を延長することが、中国からの調達をシフトする努力を支援するか、または代替ソースから製品を調達する努力にもかかわらず、製品の入手可能性が中国以外で限定的である場合には、追加の時間を提供することを支持することが判明した。
B. 特定の除外をさらに延長する決定
これについて、連邦通知に反映されており、8473.30.1180および8473.30.5100の下で関税から除外される特定の製品が詳述されている。そこでは、「コンピュータスクリーンに画像をレンダリングするためのプリント基板アセンブリ(『グラフィックス処理モジュール』)」および「未完成のロジックボードを構成するプリント基板アセンブリ」が1年間の免除を受けることが文書に記載されているとのことで、マザーボードやグラフィックボード等は関税措置から除外されるということになる。
とりあえず関税が延長されることでPCパーツへの影響はなさそうだ。だが、Biden政権はメーカーや業界団体による関税の廃止については頑なにこれを拒み、廃止する計画は今のところないようだ。
政府は、メーカーや業界団体が要求した免除を何度も通過させてきたが、バイデン政権が関税を廃止する計画はない。
先端半導体の製造で後れを取っている中国は、電気自動車やソーラーパネル、蓄電池などのバッテリーにおいて世界をリードしようとしている。これに対抗し、米国では新たに、再生可能エネルギー関連の製品について、中国に関税を課す意向のようだ。
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