防衛テクノロジー企業Anduril Industriesは、280億ドルという驚異的な企業価値で、最大25億ドルの資金調達を計画している。わずか6ヶ月で企業価値を倍増させた同社の急成長の背景には、AIを活用した革新的な防衛技術と、伝統的な防衛産業への挑戦がある。
企業価値が半年で倍増、280億ドル評価で25億ドル調達へ
関係者がCNBCにもたらした情報によると、防衛テクノロジーのスタートアップであるAndurilは、280億ドルの評価額で最大25億ドルの資金調達を行う条件書に署名したとのことだ。これは、わずか6ヶ月前の評価額140億ドルから倍増となる。
今回の資金調達は、Peter Thiel氏が設立したFounders Fundが主導し、10億ドルの出資を予定している。これは、Founders Fundにとって過去最大の投資額となる。Founders FundのパートナーであるTrae Stephens氏は、Andurilの共同設立者の一人でもある。
創業からわずか7年で急成長、伝統的防衛産業に挑む
2017年にPalmer Luckey氏によって設立されたAndurilは、わずか7年で急速な成長を遂げている。同社は、従来の軍事調達プロセスとは対照的に、自社で開発した製品を顧客に販売するビジネスモデルで、Lockheed Martin、Raytheon、Northrop Grummanといった伝統的な防衛産業の企業を破壊的に革新することを目指している。CNBC Disruptor 50では、2024年に2位にランクインするなど、その革新性が高く評価されている。
AIとドローン技術で防衛産業に新風
Andurilは、人工知能(AI)を活用した防衛技術の開発に注力しており、特にAI搭載のドローン技術に強みを持っている。同社の主力製品である「Lattice」は、AIを活用したコマンド&コントロールソフトウェアであり、アメリカ軍や同盟国が複雑なミッション遂行のために、人間がアシストするロボティクスシステムを指揮するために利用されている。2024年には、Latticeソフトウェアを活用した複数の新型ドローンを発表しており、防衛分野におけるAIとロボティクスの活用を推進している。
また、AndurilはOpenAIとのパートナーシップを通じて、国家安全保障ミッションのために高度なAIシステムを導入することも発表している。AI企業が軍事利用への制限を緩和し、防衛企業やアメリカ国防総省との提携を強化する傾向が広がる中で、AndurilはAI防衛技術の最前線を走っている。
AnthropicやPalantirといった他のAI企業も、Amazon Web Servicesと提携し、米国情報機関や防衛機関にAIモデルへのアクセスを提供することを発表している。
Palantirに匹敵する成長性、政府需要が追い風
防衛セクターへの投資家の関心が高まる中、Andurilのような防衛テクノロジー企業への資金流入が活発化している。ソフトウェアとサービスを防衛機関に販売するPalantir Technologiesは、株式市場で過去1年間で370%も株価が上昇し、時価総額が2500億ドルを超えるなど、目覚ましい成長を遂げている。Palantirの政府関連セクターの収益は、直近の四半期決算で前年比45%増の3億4300万ドルに達しており、政府需要の高い成長が、防衛テクノロジー企業の業績を後押ししていることが伺える。
Andurilの2024年の収益は倍増し、約10億ドルに達し、年間契約額は15億ドルに達したと報じられている。
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