本記事はGEEKOM様から商品を提供いただき作成しております。
デスクトップPCといえば、一昔前はデスクの上のモニターと、その横、もしくはデスクの下にある程度の大きさの筐体が備わったセットが一般的だったが、AppleのMac miniの登場で認知されるようになった「ミニPC」カテゴリも、その後多くの製品も登場し、最近ではモニターの下に置けるサイズ感に収まるPCを見る機会も増えてきたように思う。
今回レビューする「GEEKOM A7」も、そういったミニPCの1つだ。正直なところ、筆者はミニPCといえば、Raspberry Piに毛が生えた程度の性能で、Linuxで簡単なサーバーを構築して運用するような性能しかない物と思っていた為、今回GEEKOMさんから提供を受けて実際に使ってみた印象は、まさに驚きの連続だったのが正直なところだ。
しかも、今回はAMD最新のRyzen 9 7940HSを搭載したフラッグシップモデルだけに、この小さなボディからどれくらい快適に使える性能がはじき出されるのか楽しみにしながら今回各種テストを行ってみた。
デザインと質感:金属筐体がもたらす高級感
ミニPCと言う事で、やはり特筆すべきはそのサイズ感だが、実際に配達員さんから手渡された段ボール箱の軽さにまず驚かされ、段ボール箱を開封し、製品の外箱を見たときにもまたその小ささに驚かされた。だが、それ以上に、GEEKOM A7本体を取り出して机の上に置いた時は、やはりなんとも言えない不思議な感覚だった。
GEEKOM A7を改めてみると、その小ささは想像以上だった。112.4×112.4×37mmという、ちょうどスマートフォン2台分程度のサイズに、デスクトップPCレベルの性能を詰め込んでいるのだ。
また、ミニPCといえばプラスチック主体の筐体が一般的であったが、GEEKOM A7はアルミニウム製の筐体を採用している。手に取ると、全く安っぽさはなく、417gという軽さはやはり驚かされる。
筐体側面には大型の排気口が配置され、内部の熱を効率的に排出する設計となっている。この金属製の筐体は放熱の面でも優れたものであり、実際に高度な処理によって発生した熱を効果的に排出するのに一役買っている。
カラーリングはMac miniを思わせるシルバーと黒のコントラストで、どこか懐かしさも感じさせる。ビジネスシーンでも浮くことのない、落ち着いたデザインに仕上がっているのは好印象だ。
しかも、今回はAMD最新のRyzen 9 7940HSを搭載したフラッグシップモデルだけに、この小さなボディからどれくらい快適に使える性能がはじき出されるのか楽しみにしながら今回各種テストを行ってみた。
ポート構成:充実の接続オプション
GEEKOM A7のもう一つの特徴が、小さなボディにギリギリまで詰め込まれた豊富なポート類だ。一覧については以下の通り。電源ボタンは新型Mac miniのように底面にはなく前面に配置されており、押しやすさも問題ない。
前面
- USB 3.2 Gen 2×2(左側ポートはPowerDelivery対応):最大10Gbpsの転送速度。手軽に周辺機器を接続できる
- 3.5mmオーディオジャック:高品質なオーディオ出力に対応
- 電源ボタン:押し心地の良い金属製
背面
- USB4ポート:最新規格で最大40Gbpsの高速データ転送が可能
- USB-C(3.2 Gen2):最大10Gbpsのデータ転送速度。DisplayPort Alt Modeにも対応
- USB-A(3.2 Gen2 / 2.0):レガシー機器もしっかりサポート
- HDMI 2.0×2:4K/60Hz出力に対応
- 2.5GbEイーサネット:高速ネットワーク環境に対応
サイド
- フルサイズSDカードスロット:クリエイターに嬉しい直接読み込み
特筆すべきは、最大4画面出力に対応する豊富なディスプレイ出力オプションである。マルチモニター環境での作業効率を大幅に向上させることができる。
付属の120W電源アダプターは、この消費電力をしっかりとカバーできる設計となっている。
スペック:ハイエンドノートPC並みの充実した構成
GEEKOM A7は、AMDのハイエンドモバイル向けプロセッサを採用したことで、この小さなサイズに高度な処理能力を収めることに成功している。中核となるCPUには、Ryzen 9 7940HSまたはRyzen 7 7840HSを採用。これらは共に最新のZen 4アーキテクチャを採用した8コア/16スレッドのプロセッサで、高い演算性能と電力効率を両立している。
動作クロックはベースが4.0GHzで、スペック上のブーストクロックは最大5.25GHzに設定されている。
グラフィックス機能は、CPUに内蔵されたRadeon 780Mが担当。これは、ROCMアーキテクチャを採用した最新の統合GPUで、従来のミニPCでは考えられなかった描画性能を実現している。
メモリは、DDR5-5600MHzの高速メモリを採用。標準で32GBを搭載し、最大64GBまで拡張可能だ。ストレージには、PCIe Gen4に対応したNVMe SSDを採用し、構成に応じて1TBまたは2TBの大容量を確保している。
パフォーマンス:新次元の処理性能を体感する
ベンチマークスコアが物語る確かな実力
GEEKOM A7に搭載されたRyzen 9 7940HSの実力は、各種ベンチマークテストで如実に表れている。具体的な数値を見てみよう:
PCMark 10
PCMarkベンチマークテストは、PCの総合的な性能を評価するためのテストスイートで、特に日常的な作業や実際の使用環境におけるPCのパフォーマンスを測定することを目的している。目安としては、それぞれの項目において以下のスコアを上回っていれば快適に使えるとされている:
- Essentials 目安4,100
- Productivity 目安4,500
- Digital Contents Creation 目安3,450
今回、GEEKOM A7は、
- Essentials: 10,135
- Productivity: 9,729
- Digital Contents Creation: 9,704
- トータル:7,065ポイント
となっており、十分に快適に使えるPCであることが分かる。実際にChromeブラウザで50個以上のタブを開きながら、Adobe PhotoshopとLightroomを同時に起動し、さらにTeamsでのビデオ会議も並行して行うという、かなりハードな使用シーンでも、システムは余裕を持って対応してくれる。これは、DDR5-5600MHzの高速メモリと相まって、マルチタスクでの処理能力が極めて高いことを示している。
CrystalDisk Read
搭載されているSSDは、「Acer N7000」と言うPCIe Gen4対応SSDだ。以前のGEEKOM A7では、Acer N5000という1つ前のモデルが搭載されていたようだが、今回筆者に提供されたモデルでは、最新のSSDが搭載されており、実際に以下の様に爆速な転送速度を見せてくれている。
- CrystalDisk Read:6,941.76MB/s
- CrystalDisk Write:6,196.51MB/s
CrystalDiskのスコアは、PCIe Gen4 SSDの実力を存分に発揮した物となっており、大容量データの転送や読み込みにおいても、ストレスフリーな体験が得られるだろう。
Geekbench 6
定番のGeekbench 6についても見てみよう。
- Geekbench 6 シングルコア・スコア:2,553ポイント
- Geekbench 6 マルチコア・スコア:13,115ポイント
シングルコア・スコアに関して言えば、Intelの2022年モデルのデスクトップ向け上位モデルCPU「Intel Core i9 12900KS」と同程度、マルチコア・スコアに関して言えば、これまた2022年のIntelデスクトップ向けCPUのミドルクラス「Intel Core i7 12700」と同程度になっており、この小さなボディでこれだけの性能が見られるのは驚きだ。
- Geekbench OpenCL:33,519ポイント
GPUスコアはやはり統合グラフィックと言う事で、ディスクリートGPU並みは望めないものの、AppleのM3(29,278ポイント)を上回る33,519ポイントを記録している。後述するように一部の最新ゲームも設定をある程度絞ることで快適にプレイすることが可能だった。
PassMark
- PassMark:7,890ポイント
PassMarkに関しては、PassMark Softwareが唱える
「パソコンへの負荷が比較的軽い用途では、問題なく利用できる。動作も軽くストレスを感じることはない。Web会議や基幹システムの利用など業務で利用することも可能。リモートワーク用のパソコンに求められる水準」
である、スコア7,000以上を超えており、実際に普段使いでストレスを感じることは全くなかった。
ゲーミング性能:内蔵GPUの底力を見せつける
ミニPCでゲームをプレイするというのも無謀な話かもしれないが、実際に試してみたところ、以下の様にいくつかの高度なグラフィックが特徴の大型タイトルもプレイすることが可能だった。
ゲームベンチマークテスト
- 3DMark Time Spy:3,013ポイント
- 3DMark Night Raid: 21,526ポイント
- 3DMark Steel Nomad Light: 2,694ポイント
- FF14 FHD 高品質ノートPC:4,028ポイント(普通)
AAA大型タイトル
- Cyberpunk 2077:
- 1080p/中設定:40-50FPS
- 1080p/低設定:55-65FPS
- FSR 2.0の活用で、さらなるパフォーマンス向上が可能
- 原神
- 1080p/中設定:35-40FPS
- 1080p/低設定:40-45FPS
崩壊:スターレイル
- 1080p/中設定:35-40FPS
- 1080p/低設定:50-60FPS
特に、『崩壊:スターレイル』は設定が低めの物であったとは言え、FHDで快適にプレイすることができ、CPU・GPUの温度もそこまで上がる事はなく、そのためファンノイズも抑えられており、意外なほど快適にゲームを楽しめたのが印象的だった。
温度管理と持続性能
実際に小さな筐体で排熱も限られていることから、発熱が気になるところだが、テストしてみたところ以下の範囲に抑えられていた。
高負荷時の温度推移:
- アイドル時:35-40℃
- 通常使用時:45-50℃
- ゲーミング時:55-65℃
- ストレステスト時:最大75℃
注目すべきは、これらの温度帯でサーマルスロットリングが殆ど発生しないことだ。Geekom 4.0 冷却システムの大型ファンによる積極的な排熱設計が功を奏している証といえる。
総じて、GEEKOM A7のパフォーマンスは、その小さな筐体からは想像できないレベルに達している。特に、クリエイティブワークやマルチタスク処理における高い処理能力は、デスクトップPCの代替機として十分な実力を備えていると言えるだろう。もちろん、外付けGPUを搭載した専用ゲーミングPCには及ばないものの、カジュアルゲーマーの期待に応えるレベルのゲーミング性能も備えている。
ライセンス問題もなく安心して使える
一部のミニPCは価格を抑えるためか違法ライセンスのWindows 11が搭載されていた事もあったが、GEEKOM A7についてはそういったこともなく、認証された正規の「Windows 11 Pro」が搭載されている。その面でミニPCに懸念を抱いている方にも安心してお使い頂けるだろう。
総合評価:新時代のミニPCの到来
長所
- デスクトップクラスの処理性能
- コンパクトで高級感のある筐体
- 充実したポート類
- 効果的な冷却設計
- 優れたコストパフォーマンス
考慮すべき短所
- 高負荷時のファンノイズ
- やや大きめの消費電力
- 内部へのアクセスがやや面倒
GEEKOM A7は、従来のミニPCにありがちな「必要な妥協」を最小限に抑えながら、デスクトップPCに迫る性能を実現しており、コンパクトでパワフルなコンピューターを探している人にとって素晴らしい選択肢になり得るだろう。特に、クリエイティブ作業やマルチタスク処理における高いパフォーマンスは、プロフェッショナルユーザーの期待に十分に応えるものだ。
特に、以下のような人にとってオススメ出来る製品と言える:
- デスク環境をミニマルに保ちたいプロフェッショナル
- 写真・動画編集などのクリエイティブワークを行う人
- 持ち運び可能な高性能マシンを求めるビジネスユーザー
- カジュアルゲーミングを楽しみたい人
- サブマシンとして高性能PCを探している人
ファンノイズや消費電力といった課題はあるものの、それらは搭載されているハイエンドCPUの性能を最大限に引き出すための必要なトレードオフともいえる。価格面でも十分な競争力を持っており、定期的に開催されるセールなども併用すれば、更にお得に手に入れる事も可能だ。
デスクスペースの効率化を図りながら、高い処理能力を求めるユーザーにとって、GEEKOM A7は最も魅力的な選択肢の一つとなるだろう。
実際に、筆者もメインの事務作業やブログ執筆時、簡単な画像編集など、その静音性、省電力製もあり、最近はほとんどGEEKOM A7を利用するようになっており、快適に使えていることからも自信を持ってオススメ出来る良い製品だ。
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10万円程でこの性能のPCが手に入る機会も中々ないと思うので、よろしければ是非この機会に手に入れてみてはいかがだろうか。
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