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Ryzen 9000/7000 CPUはWindows 11の管理者アカウントを使う事でゲーム性能が向上する

Y Kobayashi

2024年8月19日2:35PM

AMDの最新プロセッサRyzen 9000/7000シリーズが、Windowsの隠れた管理者アカウントを使用することで予想外の性能向上を見せていることが明らかになった。この驚くべき発見は、ハードウェアレビューアーたちの注目を集め、Windows OSでの最適化の必要性を提示する事態となっている。

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管理者アカウントでゲーミング性能だけが向上する謎

この不可解な現象はHardware UnboxedのSteve Walton氏が最初に発見し報告している。彼は、Zen 5アーキテクチャを採用した新しいRyzen 9000シリーズのCPUを通常のユーザーアカウントではなく、管理者アカウントで使用すると、ゲーミング性能が向上することに気付いたのだ。

Walton氏は13のゲームを使用してテストを行い、Zen 5 CPUでは管理者アカウントを使用した場合、平均して約3.8%のパフォーマンス向上が見られることを明らかにした。さらに興味深いことに、前世代のZen 4 CPUでも同様の現象が確認され、約2.8%の性能向上が報告されている。

この発見を受けて、AMDは現象を確認し、ユーザーが最高のパフォーマンスを得るには現時点で管理者アカウントを使用する必要があることを認めた。しかし、AMDはこれを恒久的な解決策とは考えておらず、特にセキュリティの観点から管理者アカウントの常用は推奨していない。

興味深いことに、この現象はゲーミングにのみ影響し、アプリケーションベンチマークではアカウントの種類による性能差は見られなかった。この点が状況をさらに複雑にしている。

AMDは、この問題をWindows側のバグであると指摘している。また、CPUを交換する際にはWindows環境をクリーンインストールするか、少なくともチップセットドライバを再インストールすることを推奨している。これは、不適切なドライバのプロビジョニングも性能に影響を与える可能性があるためだ。

この問題は、Windows 11の将来のアップデートで解決されることが期待されている。しかし、問題の根本的な原因がWindowsにあるのか、それともAMD側にあるのかは、現時点では明確になっていない。

管理者アカウントを有効にしたい場合は、コマンドラインに

net user administrator /active:yes

と入力することで可能だが、セキュリティリスクを考慮すると、一般ユーザーにはおすすめできない方法だ。

この発見は、ハードウェアとソフトウェアの複雑な相互作用を浮き彫りにし、最新のCPU性能を最大限に引き出すためには、オペレーティングシステムの最適化が不可欠であることを示している。今後、AMDとMicrosoftがこの問題にどのように対処していくのか興味深いところだ。


Sources

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