GoogleがGemma 2ファミリーに新たな生成AIモデルと機能を追加した。これらは「より安全」「よりコンパクト」「より透明性が高い」ことを特徴としており、AIの安全性と効率性の向上に焦点を当てている。
パフォーマンス、安全性、透明性の向上に重点を置いたオープンソース言語モデルの Gemma 2 ファミリーのアップデート
新たに発表されたモデルの中で、特に注目を集めるであろう物は「Gemma 2 2B」だろう。このモデルは、わずか20億のパラメータしか持たないにもかかわらず、驚くべき性能を発揮するからだ。GoogleによればGemma 2 2Bは、パラメータ数が35倍も多いLLaMA-2-70Bを含む、より大規模なGPT-3.5レベルのモデルを上回る性能を示している。この成果は、AIモデルの効率性向上における重要な一歩と言える。
Gemma 2 2Bの特筆すべき点は、そのコンパクトに加えて、効率性にもある。ノートPCやエッジデバイスなど、比較的処理能力の低いハードウェアでも動作可能なように設計されており、より幅広いデバイスでAI機能を利用することを可能にし、AIの民主化に貢献する可能性がある。Gemma 2 2Bは、Google Vertex AIモデルライブラリ、データサイエンスプラットフォームのKaggle、Google AI Studioツールキットなどから入手可能で、特定の研究や商用アプリケーションにライセンスされている。
加えて、Googleは性能とは別の部分でAIモデルの発展を模索しているようだ。今回、安全性と透明性の向上を目指し、「ShieldGemma」と「Gemma Scope」という2つの新機能も発表された。これらの機能は、AI技術の責任ある開発と利用を促進するための重要なツールとなる。
ShieldGemmaは、ヘイトスピーチ、ハラスメント、性的に露骨なコンテンツなどの有害なコンテンツを検出しようとする「安全性分類器」のコレクションである。Gemma 2をベースに構築されたShieldGemmaは、生成モデルへのプロンプトやモデルが生成するコンテンツをフィルタリングするのに使用できる。この機能は、AIの出力が社会的に受け入れられる範囲内に収まるようにするための重要な防御線となる。
一方、Gemma Scopeは開発者や研究者にとって非常に興味深いツールである。このツールは、Gemma 2モデル内の特定のポイントを「ズームイン」し、その内部の仕組みをより解釈しやすくする。Googleのブログ投稿によれば、Gemma Scopeは「Gemma 2によって処理される密度の高い複雑な情報を解きほぐし、分析や理解がより容易な形に展開する専門的なニューラルネットワーク」で構成されている。これにより、研究者はGemma 2がどのようにパターンを識別し、情報を処理し、最終的に予測を行うかについて、貴重な洞察を得ることができる。
Googleのこの取り組みは、MetaのLlamaプロジェクトと同様に、開発者コミュニティ内での信頼関係を育むことを目的としている。Gemmaシリーズは、GoogleのGeminiモデルとは異なり、ソースコードが公開されているオープンソースモデルである。これは、AI技術の発展において、オープンネスと協調の重要性を認識しているGoogleの姿勢を示す物と言えるだろう。
Source
コメント