Googleは本日、Pixelデバイス向けに新機能を追加する「Feature Drop」の提供を開始した。既にPiexl 8 Proモデルでは利用可能だった軽量AIモデル「Gemini Nano」による一部のオンデバイスAI機能がPixel 8、Pixel 8aで利用可能になった他、カメラ機能のアップデートも行われている。合わせて、Android 14 QPR3のロールアウトも行われた。
Pixelスマートフォン向け新機能
Gemini NanoがPixel 8とPixel 8aでも利用可能に
Googleはデバイスのメモリ上の制約からGemini Nanoは当初Pixel 8 Proにのみ提供されるとしていたが、その後方針を転換し、Pixel 8にも展開することを明らかにしていた。本日のFeature Dropにおいて、Pixel 8とPixel 8aでもついにGemini Nanoが利用可能になったのだ。
Gemini Nanoはスマートフォンでもオンデバイス処理が可能なレベルに最適化されたGeminiファミリー最小のモデルとなる。ただし、この機能を有効にするにはユーザーが開発者向けオプションで明示的にオンにする必要がある。Googleによればこれはメモリの少ないデバイスでAIモデルを実行する事への「ユーザーエクスペリエンスへの潜在的な影響」を加味し、それを理解している人々のためにのみ解放する必要があると判断したからとのことだ。
Gemini Nanoを有効にするには、「設定」アプリから「デバイス情報」を表示し、一番下の「ビルド番号」項目を数回タップする。すると開発者向けオプションが利用可能になるとの通知が出るので、その後は1つ戻り、「システム」の中の「開発者向けオプション」から「AI Core Setting」を開き、これを有効にすればOKだ。
Gemini Nanoにより、レコーダーアプリで文字起こしされた物からダウンロード可能な要約を作成する事が可能になる(英語版のみ)。また、現時点では英語音声のみの対応だが、Pixel 6以降は自動で話者の名前を検出することも可能だ。
USB-C経由で大画面モニターに映像の出力が可能に
USB-Cケーブルがあれば、Pixelスマートフォンを対応するテレビやモニターに接続して映像を出力することが出来る様になった。USB-C経由のHDMIに対応したディスプレイであれば、USB-Cケーブルを使ってPixelスマートフォンを外部ディスプレイとして接続することができる。ただし、この機能はPixel 8、Pixel 8 Pro、Pixel 8aでのみ利用可能だ。
デバイスを探す機能が電源オフ時やバッテリー切れ時でも利用可能に
スマートフォンが見つからないままバッテリー切れになってしまった場合、これまではデバイスを探す機能で探すことは不可能だったが、この機能が改善され、電源オフ時やバッテリー切れの際にもPixelスマートフォンの位置を特定出来るようになった。
カメラ機能の強化
Pixelスマートフォンのカメラ機能が強化され、Pixel 6以降のスマートフォンでは、HDR+での撮影時も、高画質写真の中からベストショットを自動的に判別してくれるようになった。
また、PixelのProモデル(Pixel 6 Pro、Pixel 7 Pro、Pixel 8 Pro、Pixel Fold)では、カメラアプリが特定のショットに使用するレンズを手動で選べるようになった。ファインダー内の一般的なズームプリセットの代わりに、UW(超広角)、W(ワイド)、T(望遠)と書かれた3つのボタンが表示されるようになり、これらのいずれかをタップすると、カメラが関連するレンズに固定され、クリエイティブなフレーミングやボケ効果の演出などが行える。
電話番号の逆引き検索
知らない電話番号からかかってきた電話の相手先について調べたいことがあるだろう。そうした際、通話履歴から数回のタップで直接電話番号の逆引き検索が行えるようになった。
Pixel Watchの新機能
Pixel Watch 2がユーザーの事故状況を検知し自動的に連絡
Pixel Watch 2に自動車事故検知機能が搭載された。あなたが重大な自動車事故に巻き込まれたことを時計が検出した場合、Pixel Watch 2は状態を把握し、無事かどうかを確認するようになった。助けが必要な場合やユーザーからの応答がない場合には自動的に緊急サービスに連絡が行くようになっている。これはPixelスマートフォンを持っていない場合にも機能する。また、緊急共有機能を通じてあなたの位置情報の詳細を緊急連絡先に通知する。さらに、自転車での転倒も検知する。
WatchOSで簡単にスマートデバイスの制御が可能に
Wear OS 3以降を搭載したすべてのスマートウォッチを対象に、Wear OS上で再設計されたホームアプリが導入される。このアプリを使えば、スワイプするだけでお気に入りのスマートデバイスにアクセスできる。デバイスアイコンをタップしてHomeアプリを開くと、家の温度を調整したり、照明を落としたりすることが腕時計からできる。
さらに、最も頻繁にアクセスするデバイスをWear OSのウォッチフェイスに直接追加できる。このアップデートでは、ブラインドの回転を調整したり、ファンの回転数をコントロールしたりすることもできる。
PayPalサポートが追加
Wallet内でPayPalを利用できるようになり、手首からPayPalアカウントを通じて非接触決済ができるようになった。
Android 14 QPR4
Android 15前の最後のAndroid 14アップデートと言う事で、QPR3は変更が少ない。目新しい機能はないが、例としては、ウィジェットリストの「Suggestions」セクションにアプリのアイコンが表示されるようになるなどの小幅な変更が行われている。
また、2024年6月セキュリティパッチが含まれている。
Sources
- Google The Keyword: June Feature Drop: New features and upgrades for the Pixel portfolio
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