Googleの次期ワイヤレスイヤホン「Pixel Buds Pro 2」が、同社初となる独自開発のオーディオチップ「Tensor A1」を搭載する可能性が報じられ、ある意味で最も性能向上が著しいPixelデバイスになる可能性が浮上した。情報筋からもたらされた新情報によれば、この新チップにより、ノイズキャンセリング性能が大幅に向上し、AIを活用した新機能も追加される見込みだという。
Googleの「Tensor A1」チップはAppleのAirPods搭載「H1/H2」チップに対抗か
Googleは、Pixel Buds Pro 2に自社開発の「Tensor A1」オーディオチップを搭載する予定だと伝えられている。これは、Googleがイヤホン向けに開発した初のTensorブランドのチップとなる。初代Pixel Buds Proも独自チップセットを搭載していたが、今回はTensorブランドを冠することで、より高度な機能の実現を目指しているものと考えられる。
Tensor A1チップの最大の特徴は、アクティブノイズキャンセリング(ANC)性能の大幅な向上だ。情報筋によると、新モデル「Pixel Buds Pro 2」のANC性能は前モデルの2倍に達するという。初代Pixel Buds ProのANC性能には改善の余地があったため、この進化は多くのユーザーに歓迎されるだろう。さらに、新チップは高品質で没入感のあるオーディオ体験を実現するための音声処理能力も強化されている。
AIを活用した新機能も注目を集めている。その一つが会話検出機能だ。ユーザーが話し始めると自動的に音楽の再生を一時停止する。この機能により、イヤホンを外すことなくスムーズに会話に参加できるようになる。また、聴覚健康機能も搭載される見込みだ。この機能は、長時間の音楽視聴時の音量を分析し、適切な音量調整を通知することで、ユーザーの聴覚を保護する。
デバイス間のシームレスな接続も、Tensor A1チップの重要な特徴の一つだ。Pixel端末(スマートフォン、タブレット、ウォッチ)間でのスムーズな切り替えが可能になるとされている。さらに、Googleの新しい「デバイスを探す」ネットワークとの互換性も期待されており、イヤホンの紛失時の発見をサポートする機能が強化される可能性がある。
しかし、これらの新機能と引き換えに、バッテリー性能には若干の低下が予想されている。リークされた情報によると、Pixel Buds Pro 2のイヤホン単体のバッテリー持続時間は8時間、ケース込みで30時間となっており、前モデル(イヤホン11時間、ケース込み31時間)よりも短くなる可能性がある。この変更の理由は明らかではないが、新チップの高度な機能実現のために消費電力が増加した可能性が考えられる。
デザイン面では、わずかな変更と4つの新色が追加されるとの情報もある。また、装着感を向上させるための「ツイストして調整する」機能も追加される可能性がある。これにより、ユーザーは自分の耳の形状に合わせてイヤホンをより快適にフィットさせることができるようになるだろう。
Googleがこのようなハイエンドな機能を搭載したPixel Buds Pro 2を投入する背景には、Appleの高性能H1/H2チップを搭載したAirPodsシリーズへの対抗意識があると考えられる。ワイヤレスイヤホン市場での競争が激化する中、GoogleはTensor A1チップを武器に、音質、ノイズキャンセリング性能、AI機能の面で優位性を確立しようとしているのだろう。
Pixel Buds Pro 2の正式な発表は、数時間後に開催される「Made by Google」イベントで行われる予定だ。このイベントでは、Pixel 9シリーズのスマートフォンやPixel Watch 3なども同時に発表されると見られており、Googleのハードウェア戦略全体とGemini AIイニシアチブの今後の展開に注目が集まっている。
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