ノートPC向けの新たなメモリ規格であるCAMM(Compression Attached Memory Module)は、Dellが2年前に初めてPrecision 7670ワークステーション・ノートPCに導入した独自規格だった。その後この規格はJEDECが2023年後半にSO-DIMMに取って代わる規格として「CAMM2」を確定・発行し、Micronが翌月のCESで初のLPCAMM2モジュールを発表し、これを搭載した製品が後に続くことが待たれていたが、Lenovoがこの新型メモリを搭載したノートパソコンを最初に出荷する事になりそうだ。
近日発売予定のLenovoのAI PC「ThinkPad P1 Gen 7」は、最大64GBのLPDDR5x LPCAMM2メモリに対応している。Lenovoによると、LPCAMM2への変更によるメリットは、従来のDDR5 SODIMMと比較した場合、アクティブ消費電力は最大61%減、設置スペースは64%も小さくできると言う。更にLPCAMM2メモリは、SO-DIMMよりも帯域幅が広く、1つのモジュールでデュアルチャネル性能を提供する。
これらはCAMMが開発された主な理由でもある。CAMMは、SO-DIMMのスタック型デザインを、幅が広く平らな1つのデュアルチャンネルメモリチャンクに置き換えたものだが、ユーザーが交換可能な形態は維持し、よりコンパクトになっている。なお、CAMMモジュールは通常、バネ式の保持装置を使う代わりに、マザーボードにボルトで固定されている。ちなみに、DELLは以前、128GBのCAMMモジュールも発表していたため、今後これも登場してくることが予想される。
その他、ThinkPad P1 Gen 7は、高級アルミニウムで作られ、ディスプレイにはアスペクト比16:10の16インチディスプレイを搭載し、狭いベゼルで画面対ボディ比91.7%を実現している。解像度も、FHD+ IPS、QHD+ IPS、UHD+ OLEDタッチスクリーンの3種類のディスプレイから選択できる。
最大Intel Core Ultra 9 185H CPU、最大8TBのPCIe M.2 2280 SSDが選択可能だ。グラフィックス・オプションには、ローエンドの統合型Intel Arcと、本格的なゲーマー向けのNVIDIA GeForce RTX 4070がある。
その他の特筆すべき設備としては、最大Wi-Fi 7、Bluetooth 5.3、豊富な接続ポート(Thunderbolt 4×2、USB-C(10Gbps)×1、USB-A(5Gbps)×1、SD Express 7.0カードリーダー、HDMI 2.1ポート、標準オーディオジャック)がある。このノートパソコンには、ケンジントン・ナノロック・スロット、Webカメラ・プライバシー・シャッター、生体認証対応電源ボタンも装備されている。また、バッテリーは90Whrのカスタマー交換式ユニットを搭載している。
面白いところでは、Lenovoが「冷却性能と長期的な信頼性を向上させ、複雑なタスクが長時間にわたって最大限のパフォーマンスを必要とする重要なワークフローに対応する」としているリキッドメタル(液体金属)冷却機構を採用しているとのことだ(一部の構成において)。
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