MetaによるTwitter/Xのライバルプラットフォーム「Threads」が、フェディバース(Fediverse)への対応を本格化させている。同社は本日のブログ投稿で、18歳以上のユーザーに限り、Threadsにおける「フェディバースでのシェア」機能を用いることで、Mastodonなどのサポートされているプラットフォームとの間で相互に通信が出来る様になったと発表した。このサポートはベータ版として提供され、現在日本を含む100カ国以上で展開されている。
自由でオープンなソーシャルメディア体験の実現へ
今回のアップデートに伴い、Metaは以下の様に説明している。
今日から、フェディバースへのシェアをオンにしたThreadsユーザーは、Mastodonのような他のサーバーにいる人からの返信をThreadsで直接見たり、「いいね!」を押したりすることができます。私たちはまた、フェディバースのベータ体験の利用可能国を100カ国以上に拡大しており、近いうちにすべての国で展開したいと考えています。
Fediverse(フェディバース)とは、MastodonやBluesky等、独立したソーシャルネットワーキングサービスなどが、ActivityPub等のオープン通信プロトコルを使用し、相互に接続され、通信できる分散型のソーシャルネットワークのことだ。
分散型であるため、一つの企業や組織が全体を管理するのではなく、多くの独立したサーバーが存在し、それぞれの好みに合ったサービスを使いつつ、相互運用性が担保されることで、 異なるサービス間でもユーザーが交流できるというメリットがある、例えば、MastodonユーザーがThreadsユーザーと相互のサービスを使いつつやり取りが出来るのだ。大手企業に依存せず、より自由でオープンなソーシャルメディア体験を提供することを目指して開発が進められており、SNSだけではなく、WordPressや、Ghostなども参入を表明している。
お使いのデバイスにこの機能が導入されているかどうかを確認するには、Threadsのプロフィールページにアクセスし、右上の「設定」ボタン > 「アカウント」をタップしよう。その中で、「フェディバースでのシェア」というオプションがあれば、後は手順に従って進めればフェディバースへの参加が可能になる。
ただし、フェディバースに投稿を共有し、他のサーバーのユーザーが発見できるようにするには、公開Threadsプロフィールが必要となる。
今回のフェディバースへのサポート拡大に合わせて、Metaはフェディバースをより実用的にするための大きな取り組みの一つにも着手している。最も重要なことは、“フェディバース”がそもそも何なのかをユーザーに周知することだ。そもそも多くの人々はフェディバースの仕組みや、オープンなソーシャルウェブ全体でアカウントをフェデレーションすることの意味を理解していない。しかし、Threads内でMetaは、フェディバースを相互作用するサーバーのソーシャルネットワークとして説明し、共有の仕組みを利用者に知らせ、基本的な質問に答える解説を提供している。
これは多くの人々に対してフェディバースへの興味を喚起する可能性があるだろう。これには、Mastodonのような既存のフェデレーションアプリに対して躊躇を感じていた人々も含まれる。
拡張に伴い、Metaはフェデレーションされた投稿の作者が、より広範なフェディバースからの「いいね」や返信を見ることも可能にしている。しかし、それらの返信に自分で返信するという最終段階はまだ実装されていない。
また、Metaは注意点として、フェディバースに投稿を共有するとき、自分の情報のコントロールを失う可能性を指摘している。電子メールと同様に、Threadsの外部で共有した後は、自分の情報にアクセスしたり、編集したり、削除したりできなくなる可能性があるのだ。
同社は、いつでもフェディバースの共有をオフにすることができるが、リクエストを送信した後に他のサーバーからコンテンツが削除されることを保証するものではない、と注意を促している。例えば、以前フェディバースでシェアされたThreadsの投稿を編集または削除した場合、その変更は他のサーバーに表示されるかもしれないし、表示されないかもしれない。
ベータ版がMastodonユーザーにとっても良い体験となるよう、MetaはThreadsからの投稿をフェディバースで利用可能にするが、当面はトップレベルの投稿と自己リプライのみをフェデレーションするとしている。
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