世界最大の動画配信サービスNetflixが、2025年1月22日、米国を含む主要市場で大幅な料金改定を実施した。最も人気の高いStandardプランは16%以上値上げとなる月額17.99ドルに設定される。この動きは、過去最高となる四半期加入者数の増加と好調な業績を背景としている。
大幅な値上げ、全プランに影響
今回の料金改定は、広告付きの最安価プランから最上位のPremiumプランまで、すべての料金体系に及ぶ。最も上昇率が高いのは、広告なしのStandardプランで、現行の月額15.49ドルから17.99ドルへと16.14%の値上げとなる。同プランは米国市場において最も契約者の多い料金プランとされている。
広告付きの最安価プランは、2022年の導入価格である6.99ドルから1ドル上昇し、月額7.99ドルとなる。また、4K画質やHDR対応の最上位Premiumプランは、22.99ドルから24.99ドルへと8.7%の値上げが実施される。
値上げ対象地域は米国の他、カナダ、ポルトガル、アルゼンチンとなっている。なお、広告付きプランにおける追加メンバーの月額料金6.99ドルについては変更がない。
この料金改定の背景には、Netflixの堅調な業績がある。2024年第4四半期の業績報告によると、新規加入者数は1,891万人増と、アナリスト予想の960万人を大きく上回る過去最高を記録。これにより、全世界の有料会員数は3億163万人に達した。
収益面でも好調を維持しており、第4四半期の売上高は102.5億ドルと、市場予想の101.1億ドルを上回った。1株当たり利益(EPS)も4.28ドルを記録し、予想の4.20ドルを上回る結果となっている。
値上げの理由とサービス強化への投資
Netflixは株主向けレターで、「プログラミングへの投資を継続し、会員により多くの価値を提供し続けるため、時折、会員の皆様に少し多くお支払いいただくようお願いすることがあります」と説明しており、早速実行された形だ。
特筆すべきは、広告ビジネスの拡大戦略だ。同社は2025年までに広告対応プランの規模を十分なものとし、2026年までには広告収入を独立した収益として報告できるレベルまで成長させる計画を示している。実際に、広告付きプランは提供国において新規契約の55%以上を占め、四半期ごとに約30%の成長を記録している。
また、パスワード共有対策の成功やライブイベントのストリーミング権獲得など、新たな成長領域への投資も継続している。今回の値上げによる増収は、これらの施策を支える重要な財源となる見込みだ。
今回の値上げが日本での料金体系にどのような影響があるのかは不明だが、過去にも米国での値上げの後、日本での価格も改定された経緯もあり、今後値上げが行われる可能性も否定は出来ないだろう。
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