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Netflixが生成AI活用でゲーム開発を加速、Mike Verdu氏が新組織を率いる

Y Kobayashi

2024年11月5日

Netflixが、ゲーム開発における生成AI(GenAI)活用の本格化に向けて新たな一歩を踏み出した。同社のゲーム部門を率いてきたMike Verdu氏が、新設された「Vice President of GenAI for Games」のポジションに就任。開発プロセスの革新と新しいプレイヤー体験の創出を目指す。

ゲーム開発の新時代を見据えた組織改編

「1990年代以来、これほど業界の可能性に胸が躍る機会はなかった」。Mike Verdu氏はLinkedInでの就任発表でこう語る。当時、革新的なゲームが数か月ごとにリリースされ、業界の未来を再定義していった時代を彷彿とさせる熱量で、生成AI時代の幕開けを語った。

新体制では「クリエイターファースト」のビジョンを掲げ、生成AIを開発の触媒および加速剤として位置づける。大規模開発チームの機動性向上と、小規模チームの創造性解放を同時に実現する戦略だ。

この戦略転換に伴い、Netflixは組織体制の見直しも進めている。元Overwatch Executive ProducerのChacko Sonny氏が率いていたロサンゼルスのトリプルAスタジオの閉鎖は、その一環として実施された。

「メディアでの憶測に惑わされないでほしい」とVerdu氏は強調する。過去3年間で100タイトル以上をプラットフォームに追加し、ユーザーエンゲージメントも着実に向上させてきた実績を背景に、計画的な移行として位置づけている。

広がる生成AIの活用領域

ゲーム開発における生成AI活用は、コード生成、グラフィックス、テキスト、音声、2D/3D資産など、多岐にわたる領域で進展を見せている。GoogleリサーチとDeepMindの「GameNGen」はDOOMのリアルタイムシミュレーションを実現し、「DIAMOND」モデルはCounter-Strikeの描画に成功。スタートアップのDecartとEtchedは、Minecraftに似たAI生成ゲーム「Oasis」を開発している。

ただし、現時点での技術的制約も明らかになっている。GameNGenの3秒という短いメモリ保持時間や、DIAMONDとOasisが抱える画像の明瞭さと一貫性の課題は、実用化に向けて克服すべき課題として認識されている。

Netflixのこうした動きは、同社単独の取り組みにとどまらない。Electronic Artsも生成AIをゲーム制作プロセスの基盤技術として位置づける方針を示しており、業界全体のパラダイムシフトの予兆とも捉えられる。


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