任天堂の携帯ゲーム機「Nintendo Switch」は、発売後にその人気から転売が横行し、特に人気タイトルの発売時などは全く手に入らない状況が続いていた。こうした状況を鑑み、任天堂は次世代ゲーム機「Nintendo Switch 2(仮称)」の発売に向けて、転売対策として十分な生産量を確保する方針を明らかにしている。
Nintendo Switch 2の転売対策のために生産体制を強化
任天堂の古川俊太郎社長は、最近の株主総会での質疑応答で、次世代機における転売対策について言及した。古川社長は以下のように述べている:
Q:「 Nintendo Switchの後継機種の転売対策について聞きたい。昨年の株主総会で、ハードウェアの生産量を十分に確保することによって転売対策を行うと話していたが、対策は進んでいるのか」。
古川:「転売への対策として、お客様の需要を満たせる数をしっかりと生産することが最重要だと考えており、昨年からこの考えは変わりません。それ以外にも、各地域の事情を踏まえて、法令の許す範囲で何らかの対策ができないか検討を進めています。」
任天堂第84期定時株主総会 質疑応答(要旨)
この発言は、任天堂が次世代機の発売に向けて、十分な生産量を確保することを最優先課題として位置付けていることを示している。さらに、具体的な内容は示されていないが、地域ごとの状況に応じ、法令の許す範囲での追加対策も検討していることが明らかになった。
古川社長はまた、半導体不足の問題が解消されたことも言及している:
「昨年や一昨年において、半導体部品の不足のために十分な数量のNintendo Switchのハードウェア生産ができないことがございましたが、現在はそうした状況は解消されています。後継機種においても、現時点では部材の不足等が生産に大きな影響を与えるとは考えていません」。
任天堂第84期定時株主総会 質疑応答(要旨)
この発言は、次世代機の生産に関して、部品供給の面での懸念が大幅に軽減されたことを示唆している。
業界アナリストの予測によると、任天堂は次世代機の初年度(会計年度)で1000万台以上の生産を計画している可能性がある。この数字は、過去のPlayStation 5やXbox Series X|Sの発売時に見られた深刻な品薄状態を回避するのに十分な量だと考えられている。
任天堂の次世代機は正式には発表されていないが、任天堂は次世代機を「今年度中」に発表する事を確認している。つまり、2025年3月までには発表されると言う事だ。
この潤沢な在庫戦略は、消費者にとっては朗報となる一方で、任天堂にとっては初期の在庫リスクを高めることになる。しかし、需要予測が正確であれば、この戦略は市場シェアの早期確保と顧客満足度の向上につながる可能性がある。
任天堂のこの方針は、ゲーム業界全体に影響を与える可能性がある。他のゲーム機メーカーも、同様の転売対策や生産戦略の採用を検討する可能性に繋がるかも知れない。
Sources
- 任天堂第84期定時株主総会 質疑応答(要旨) [PDF]
- VGC: Nintendo says it wants to avoid Switch 2 scalping by making enough to meet demand
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